2014年1月4日フィリピン タクロバン市訪問から感じた日本の国際支援のもったいない
昨年末、4日間フィリピンを訪問し、うち3日間を最も被害の大きかったタクロバン市で
過ごしました。
今後、経済分野だけでなく安全保障分野の課題解決にむけて、
日本の世界でのプレゼンス、特にアジアでのプレゼンスを上げていかなければなりません。
ですから人道的な意味での支援は必須としたうえで、効率の良い支援を考える必要があります。そんな中で、今回のような災害支援というのは大変重要な機会です。
だからこそ日本政府からも600億の支援を表明しているわけですが、
それが本当に効果があるよう活用されているのか、本当に必要な支援とは何かを
確認するために訪問してきました。
現地に入って感じたのは、もったいない、の一言です。
今回の支援でもちろんフィリピン政府へは日本の気持ちは届いているでしょう。
ただ、現地の人々の心には届いていません。正確には記憶に残っていません。
外交上、政府との信頼関係が重要なのはもちろんですが、
ただ、忘れてはならないのは、その政府、大統領は国民から選ばれているのです。
最終的には、国民にどれだけ日本の支援の想いが伝わるかが重要なはずです。
外交上、フィリピンは日本とA国のどちらの立場を支持するのか!?
経済分野でも、どの国の企業の技術を採用するのか!?
何か重要な判断をするとき、フィリピン国内の世論はどちらを支持するか、
政府の判断に大きな影響を与えることは間違いありません。
今回の支援が無駄だったと言うつもりはありません。
ただ、より効果的な方法があるはずです。
日本政府としてはフィリピン政府が窓口になるため、踏み込んだ形は難しいということであれば、民間の支援団体を活用するなど、工夫はできるかと思います。
実際、現地の方のほとんどが台湾のツチという団体への感謝を口にしました。
自衛隊の支援も同様です。現地滞在中に国連職員の方を話しましたが、他国の軍は司令官が自治体や地域をまわり、しっかりPRもしていったそうですが、自衛隊だけはトップの顔が見えず、自分たちの役割をこなして、サッと引き上げてしまったのだそうです。
せっかく重要な役割をになったわけですから、あと一歩踏み込んだ活動をするだけで、印象は大きく変わるのに。
国連の方曰く、「せっかく大きな支援をしているのに、マイレージを稼げてないですよね」と。
そういった意味では、今回、タクロバン福山交流センターと福山市が協力して、
タクロバン市に直接支援を行ったことは大きな意味がありました。
これから日本として歴史認識の課題や自衛隊の存在など、国際的な理解を必要とする課題が多くあるからこそ、積極的かつ効果的なメッセージングをしていくことが必要になります。
今回、現地に足を運び多くの気づきを得ることができました。
かならず自民党内、政府に伝え、より効果的な国益に沿った国際支援が実現されるよう
尽力したいと思います。
加えて、タクロバン市からの重機の要請や市内医療施設の検査機器や救急車の要請は
国内企業や医師会などに働きかけ、せめて、タクロバンの市民の皆さんには、日本と福山市の支援が心と記憶に残るようにまずは汗をかきたいと思います。