平成最後の広島原爆忌:インド下院の皆様と平和を祈る
昨日戦後73回目、平成最後の広島原爆忌を、私は小泉進次郎議員、村井英樹議員、鈴木憲和議員、小倉将信議員と共にインド連邦下院議会で迎えました。インドでは、1985年、ラジーヴ・ガンディー政権が、インド議会で原爆被爆者を追悼することを決定して以来、毎年この時期に議会で黙祷を捧げていただいています。(知る限り世界中の議会で唯一)
平成最後の原爆忌という特別な日に、広島の地を離れることは、正直とても悩ましかったのですが、日本の国会議員はもとより、広島選出の議員がそこに立ち会うことは初めてのこと(現地で聞く限り)で、共に追悼と黙祷を捧げ、被爆地の思いを共有させていただく貴重な機会となりました。
黙祷に先立ち、マハジャン下院議長は議場において、原爆犠牲者を追悼して、以下のように話されました (ご発言はヒンディー語で、日本語はインド大使館のリリースから抜粋します)。
(1)73年前の1945年8月6日と9日に、広島と長崎は、原子力爆弾の被害に見舞われ、想像を絶する破壊を被った。同爆弾により、極めて多くの死傷者が発生し、また、多くの人が生涯に亘って後遺症に苦しめられることとなった。
(2)73年が経過した現在でも、広島と長崎の人々は、核放射線による被害に 苦しんでいる。インドはいかなる時も非暴力・平和を強く信じ、尽力してきた。そして、インドは世界の平和・安定性を維持するために主要な役割を果たしてきた。
(3)今こそ、このような大量破壊兵器を撲滅させることを決意し、世界平和と兄弟愛を広めよう。原爆犠牲者を偲んで、下院は起立し黙祷を捧げる。
また、議会開催直前、マハジャン議長を表敬訪問し、議員団を代表して小泉議員から「このような原爆被害者に対する追悼を今なお毎年行ってくれているのは世界中でおそらくインド議会だけであり、心から感謝する、今回、広島選出の小林議員が行事に参加したのは、日印関係の新たな1ページを開くものではないかと思う」と感謝の意を伝えました。
マハジャン議長がおっしゃるように、広島・長崎への原爆投下から70年以上、人類は核兵器の実戦使用は経験せずにきていますが、世界ではいまもなお戦果は絶えません。日米安保を基調としたアジアにおける力の均衡が保たれているとはいえ、北朝鮮の非核化が実現できるのか重要な局面が続いています。日本はもちろん、世界の安定と平和維持に貢献することは、被爆地選出の政治家として、ひとりの広島人として大きな使命であると認識しています。
今週はこのままインドに滞在し、先進的な行政のIT化、先端技術を持つ企業や研究機関などの取り組みを視察します。今後も諸外国のリーダーと必要な情報を共有し、互いに学び合い、ネットワークを広げて行くことで、世界の発展と安定に寄与できるよう、引き続きしっかり取り組んでいきたいと思います。