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規制改革引き続き。港湾法を一部改正。

ここ2年近くは内閣府大臣補佐官、およびデジタル副大臣兼内閣府副大臣として、政府の役職についていましたが、10月3日に開会された第210回国会では自民党の職に戻り、国土交通委員会に所属しています。国会議員は、政府の役職にない時は、一つ以上の常任委員会に所属して、その所管官庁に関する議案を審査します。国土交通委員会は、衆・参両議院にそれぞれ17ずつ設置された常任委員会で、その名の通り、国土交通省所管の法案と予算を対象としており、主に、国土、建設、運輸、北海道開発、観光、気象、海上保安に関する議案を担当します。

希望が通ったということなのかはわかりませんが、この1年、デジタル臨時行政調査会で一緒に仕事をした国交省が、国土・建設業界に関する法律を中心に、デジタル化を前向きに進めていることに接したこと、ここ数年顕著になってきているインフラの老朽化により自然災害の被害が大きくなっていることへの問題意識から、私自身、高い関心を持ち、希望を出していました。

歴史ある分野ですので、多くを学びつつ、通信やデジタル技術を始めとするテクノロジーからのアプローチで、持続可能な国土を形成すべく、政策実現に取り組んでいきます。

11月2日に開催された委員会では、港湾法の一部を改正する法律案(内閣提出第14号)を審議しました。提出時の法律案にもあるように、港湾法は昭和25年、全国に近代的な港湾をつくっていこうとする時代に制定されたものです。当時と社会環境が大きく変わり、国よりも民間のほうが施設建設や運営のノウハウがあること、脱炭素社会に即した施設、設備にしていく必要があること、パンデミックや災害時においても港湾機能を確実に維持できるようにしなくてはならないことから、開発、維持、管理に関する規制を改正するものです。

今回の改正ポイントは以下の通りです。

1:港湾における脱炭素化の推進

  • 国が定める港湾の開発等に関する基本方針に、脱炭素化に関する事項を明記
  • 港湾法の適用を受ける港湾施設に、船舶に水素等の動力源を補給する施設を追加
  • 多岐に亘る港湾の官民関係者が一体となって脱炭素化の取組を推進するための枠組みとして、「港湾脱炭素化推進計画」「港湾脱炭素化推進協議会」制度を創設
  • 水素関連産業の集積など、計画の実現のために港湾管理者が定める区域内における構築物の用途規制を柔軟に設定できる特例等を措置

2: パンデミック・災害の際の港湾機能の確実な維持

  • 感染症等の新たなリスク発生時にも、国による港湾施設の管理代行を可能に
  • 災害復旧工事等を円滑化するため、国、港湾管理者が委任した者に、港湾工事のための調査時における土地立入権限を付与

3:港湾の管理、利用等の効率化と質の向上

  • 港湾緑地等において、収益施設の整備と当該施設による収益を還元して緑地等の再整備を行う民間事業者に対し、緑地等の貸付を可能とする認定制度を措置 等

港湾は、国際的な物流を担う重要な役割を担うとともに、地域の交流拠点としても大きな可能性があります。PFI制度や脱炭素関連の制度も活用して、民間事業者と一緒に海の見える地域の景色を変えて、活力ある地域にしていくことを期待しています。

また、今回のコロナ禍を踏まえ、大型船で新たな感染症の集団感染が発生した際に、自治体の港湾管理を国が代行できるようになります。現行法でも国による代行は災害時に限り可能でしたが、感染症発生時も対応が可能になります。

地元でも、福山港が定期コンテナ船の大型化に対応するため、バースの延伸工事が完了し、利用が始まりました。備後地方の企業の輸送コストの削減などにより、国際競争力が高まることが見込まれています。また、その近くの鞆港には来年、フランス船籍の豪華クルーズ船「ル・ソレアル」の寄港が発表されるなど、港湾の進化が活発です。

この改正案は、2日のこの審議のあと、4日に衆議院本会議を通過して参議院に送られ、11日の参議院本会議で賛成多数で可決、成立しました。

他にも衆議院では、科学技術・イノベーション推進特別委員会の理事を務めることになりました。こちらの進捗も後日このブログで共有します。

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2022/09/28 読売新聞: 集団感染クルーズ船の寄港時、国による港の管理可能に…港湾法改正へ

2022/03/03 ドローン トリビューン: 国交省、港湾施設の点検を検証 自動飛行に向けてドローンポートの有効性確認も

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