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霞ヶ関の働き方改革、まずは景色を変えることから

総務大臣政務官時代に総務省をはじめとする官公庁の働き方改革を先導したご縁で、霞が関改革を志す若手官僚の会「プロジェクトK」の招待で、先日、現職の官公庁職員の方々3人と霞ヶ関の働き方改革をテーマにしたパネルディスカッションに参加しました。

働き方改革関連法施行まであと1カ月。民間企業では先行実施する例も見受けられ、長時間労働の是正や過労死防止、生産性向上などにつながる先進的な取り組みの事例がメディアを賑わせています。一方で、新制度適用の一部が1年後となる中小企業では情報不足からか、認知度も低く、慢性的な人手不足に悩む中小企業にとっては重い負担に感じているという調査データもあります。

まず、残業時間の罰則付き上限規制や、高収入の一部専門職を労働時間規制から除外する高度プロフェッショナル(高プロ)制度が、この4月に施行されます。大企業については、正社員と非正規社員の不合理な格差を禁じる「同一労働同一賃金」が20年4月から施行されるなど、日本の働く景色は大きく変わります。

しかしながら、この変革をリードすべき霞ヶ関が、この流れにまったくついていけていません。昨今問題となっている統計不正問題も、根本的な理由の一つに職員の働き方があると私は思っています。

官公庁の現状について、パネルディスカッションでは、文科省に勤める中村さんが、若手の離職について「辞める人で公の仕事が嫌になった人はいない」と断言。「成長を実感できずに志半ばで辞めてしまう」とモチベーションを保つことの難しさを語りました。

女性が子育てにより本流の仕事から外される「マミートラック」も霞が関の大きな課題です。経産省に勤める紺野さんは、入省4〜10年までが対象の留学制度を引き合いに「若手の女性は妊娠を諦めて留学ということになる。ダイバーシティー(多様性)を意識した改革は必要」と訴えます。

そして、組織を変えるには人材評価のあり方がカギなのは民間企業と同じです。この点、環境省に勤める福嶋さん(現在はJESCOに出向中)は、「いまの時代、効率的でなくなった政策はムダな税金を使わないためにも潰して新しい政策に変えていくのがいい。しかし(古い)政策を閉じる仕事はあまり評価されない」と指摘。ここでも時代に合わせた発想の転換が必要なことが明らかになりました。

一方で、こうした改革は霞が関だけで全て解決することは難しいのです。その理由は国会です。現状の国会運営では日程が不規則であり、急遽二日後に委員会の開催が決定し、そこから議員が質疑の準備をすると、質問通告は前日の夜、そこから担当省庁が答弁を準備して、終わるのは翌朝ということがしばしばあります。この問題を解決するには国会改革が必須です。

加えて、政治家と官僚の関係も変えなければなりません。官公庁の職員の方は、我々政治家にとっては国の課題を解決してよい国づくりをするパートナーだと思っています。しかし、司会を務められた栫井さん(元経産省)が「公の場で現役官僚と国会議員がトークをするのは珍しい」と強調していました。思えば、なぜそんな状態になってしまったのか、ということの背景そのものが、官公庁の今の働き方にしてしまった要因ではないかと思います。

今回のパネルでは、冒頭に、「先生と呼ぶのは禁止」と私から提起しましたが、普段、官公庁の職員の皆さんは、これだけ毎日政治家と近く働くのに、政治家を「先生」と呼びます。政治家と官僚は、本来国民のために働いています。国民にとって何が大切か、政治家と官僚はフラットに話し合い、助け合って結果を出していかなければなりません。そのためにはできる限り通常業務を効率化して、未来のための仕事に能力を発揮していく環境を自ら作り出していく必要があります。

私は、人は目の前の景色を変えれば意識は変わる、意識が変われば行動が変わると信じていますが、今回一つ気づいたことがあります。それは会話も『音の景色』だということです。今回のパネルディスカッションの中でも少し気になったのは、「霞ヶ関はブラックな職場」という発言に代表される、自分たちの職場を必要以上に揶揄する表現です。事実そうかもしれない部分もあるのが残念なところですが、そう言ってしまうと、そうなのかなと自分たちが思ってしまい、そうなっていってしまうのです 。また、先生と呼ぶと、上下関係があり距離感のある関係性になってしまいます。

課題がはっきりしたら、どこがダメかを話すより、よりよくするにはどうしたいか、どうなりたいかを意識して話すようにすれば、音の景色が変わり、意識も変わっていくのではないでしょうか。

そして、「公の場で現役官僚と国会議員がトークをするのは珍しい」ということも、もう声高にいう必要はありません。その課題はお互い理解したので、これからはもっと積極的にフラットにどんどん話していきましょう。その景色をお互い見たり聞いたりすることで職員の皆さんの意識を変え、働き方を変えていくのです。

このような議論ができる機会を作っていただき、運営にも汗をかいていただいた主催/共催のプロジェクトKと青山社中の皆さん、政策分析ネットワークの皆さん、本当にありがとうございました。

私たち国会議員も頑張ります。


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