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オワハラ(就活終われハラスメント)の抑止・リシュ面(履修履歴活用面接)の推進の意図について

時期後ろ倒しになった2016年卒新卒採用の広報活動が3月から始まりました。

12月のブログに「就職活動の問題解消にむけて STOPオワハラ・リシュ面推進」と題して、現状の就職活動の問題点と解決策について書きました。

そこで上げた2つの施策「オワハラ(就活終われハラスメント)の抑止・リシュ面(履修履歴活用面接)の推進」が、2月25日には就職問題懇談会からも企業へ要請を出していくことが決定しました。
※就職問題懇談会=学生の就職活動の在り方について検討・協議を行う、国公私立大学等関係団体で構成される組織(事務局:文部科学省高等教育局学生・留学生課)

そして、「オワハラ」という言葉もおかげさまで皆さまの間に広がってきています。
この動画も再生回数が2万回を超えました。

そこで今回は、

「STOPオワハラ・リシュ面推進」がなぜ就職問題の解消につながるのか?
それにより、日本の大学生を取り巻く社会がどのように変わるのか?
について書いていきたいと思います。

私たちが最終的に目指しているのは

「日本の大学生が世界で最も優秀である」と言われる社会

そして「日本の大学に世界中の優秀な学生が留学してくる」社会を創ることです。
少し唐突に感じられた方も多いかもしれませんが、現状ある日本の就職問題を解消していくことで、私はそれが実現可能だと考えています。

■理由
日本では“学業”も“課外活動”も双方に真剣に力を入れることが出来る環境の土台があります
※世界を見渡しても、“課外活動”で日本ほど豊富な経験を積むことのできる国は少ない。

⇒つまり、知識・専門性と同時に、社会性等をも身に付けることが可能に。
⇒世界でも例のない優秀な人材育成環境の実現につながる

 

■日本の現状

“課外活動”には力を入れるが“学業”を軽視しがちになる傾向(特に文系)が多く存在し、日本の大学生は勉強しない等と言われてしまうことが多い。

⇒(理由)学生・企業・教員の3者ともが、学業(高等教育)への期待感が低いため

したがって、「学業への期待感、その結果である成績評価の信頼感がある社会」へ変えていく必要があると考えています。そのためには、

学生にとって    :学業と課外活動の双方に力を入れることがメリットになる
大学(教員)にとって:教育と研究の双方に力を入れることがメリットになる

環境を作ることが重要です。

そこでまず必要となるのが、高等教育を取り巻く環境を変え、学業に対する見方を変えることであり、就職問題(=就活の早期化・長期化による学業阻害)を解消することがそれに繋がると考えられます。

 

 

■就職問題における2つの課題

①なぜ就活は早期化するのか

■理由:早い者勝ちになりやすい採用環境
早期にスタートし、早く良い学生を見つけ、他社に興味を持つ前に自社に入社を決意させることが有利となる採用環境(早期の就活終了の強要を容認していたこと)が要因

②なぜ就活が学業を阻害するのか

■理由:学業軽視・就活重視になりやすい就活環境
授業に出なくても就活準備をしていた方が就職には有利な就活環境(就活より大学の授業を重要視する必要を感じていないこと)が要因

双方の環境を同時に解消することで初めて「就活の早期化・長期化が止まり、学生が学業にも力を入れる」ようになる。

■就職問題の解消に向けた施策

①オワハラの抑止(早い者勝ちになりやすい採用環境を変える)
オワハラ(=意図を持って学生の不安感・罪悪感を煽り、早期に自社への入社を決めさせる行為)という言葉を社会的に定着させることで、早く内定を出すことのメリット・デメリットがある採用環境にする

⇒企業の判断で自由に開始時期の選択が出来る環境へと変化させる

②リシュ面の推進(学業軽視の就活環境を変える)

履修履歴(=取得した科目名・単位・成績評価のわかるもの)を採用面接において活用することで、学業も就活準備も両方が重要となる就活環境にする
しかも、成績の良し悪しではなく、どのような目的を持って、どう取り組んだかを評価する指標とする
⇒学業へ真剣に取り組む土台ができ、さらには授業選択や授業との向き合い方の考え方までもが変化する

この2施策を同時に推進していくことで、現状ある就職問題は解消へ向かうと考えています。さらには、これらの施策は、企業・学生・大学にとってもメリットになりやすい部分が多く、受け入れやすいものではないでしょうか。

このように、就職活動のあり方を変え、日本の高等教育を取り巻く環境・学業に対する見方を変えることで“学業”も“課外活動”も双方に真剣に力を入れる学生を増やし、「日本の大学生が世界で最も優秀である」と言われる社会を実現するためにこれからも活動していきたいと思います。