「国難」はおおげさではない。議論すべき課題だらけの総選挙
28日の本会議をもって衆議院解散し、それに伴って第194回臨時国会は閉会となりました。初当選させていただいてから約5年。あらためて皆様の声をうけとめ、前進してまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
今回の解散について安倍総理が「国難突破」とネーミングしたのは決して大げさなことではありません。解散報道以来、福山の皆様とお会いした際、「今回の選挙はどう考えればいいのか?」というご質問を多くいただきますので、私の考える解散総選挙の意義についての考えをお伝えさせていただきます。
今回の選挙を通じて、皆様からのご信任を得たいと考えているのは次の4点です。
1. 北朝鮮問題
2. 少子化対策への安定財源確保
3. 透明性のある行政を
4. 改革のさらなる推進
半島有事への備え、今こそ
朝鮮半島情勢が非常に緊迫していることは皆様もご存知のとおりで、目の前の危機に万全の備えをしなければなりません。
「解散選挙中に何か起きたらどうするの?」というお尋ねもあります。
万が一のときでも政府は機能しています。実際、総務大臣政務官の私も有事の際には選挙中であろうと危機管理のために今回は地元を離れることもあります。
さらに重要な決議が必要な場合は、参議院で議決をすることとなっており、そのような緊急事態にも対応できるよう、衆院と参院の2院制となっています。(憲法第54条第2項)
安倍政権発足後も、アルジェリアの邦人殺害テロ、熊本地震など数々の緊急事態がありましたが、初動からしっかり対応してまいりました。
時期的にも国際情勢を見渡せば、北朝鮮に影響力のある中国で10月は党大会があり、そこまでは事態の急変が考えづらいという専門家の見方もあります。
また、国連で制裁の強化が決断された今、若干の時間的「猶予」がある中で、北朝鮮の横暴に対し、日本や関係諸国と国際的にどう封じ込めるか、次の対策について検討できるのは今のタイミングしかありません。
日本にとって最悪の状況とは何か?
最も危険な状態は北朝鮮の核とミサイルの開発が完了することです。
開発が完了する前に「どうやって北朝鮮を止めるか」について、今こそ国民的に議論し、着実に取組みを進めていく必要があります。だからこそ皆様に信を問うて「自分たちの国は自分たちで守る」体制づくりを進めたいと思います。
そのためには自衛隊の存在を明確にするということも必要です。
大きな決断には皆さまの声が必要です。
人口減少は「静かなる有事」どう立ち向かう?
静かなる有事である「人口減少」がこの国の最も大きな課題であるというのは共通の想いではないでしょうか。
人口減少の根本的解消に取り組むためには、安定的に数兆円規模の財源が必要です。
現在の状況で安定財源を確保するためには、全世代から幅広く拠出いただく、消費税の使い道を変更することが必要と考えます。
過去に「無駄を削減すれば数兆円のお金が出てくる」と言った政党がありましたが、現実には捻出することができず、公約は実現されませんでした。
私自身も行政改革推進本部本部長補佐として予算の削減に取り組んできましたが、どんなに頑張っても削減できるのは、年間1千億円程度。
また高齢化によって社会保障費は毎年1兆円伸びるはずのところを、数々の取組みで5000億円に伸びを抑えてきました。
こういった効率化無駄削減に必死で取り組んできましたし、今後も取り組んでいきます。それでも少子高齢化が加速する中では、必要な予算が確保できないというのが現実です。
財源を確保するため、この2年、若手議員の仲間たちと議論を重ね、「こども保険」構想を提言しました。その背景には子育てを社会全体で支える時代に転換する必要があるという危機感がありました。
このように党内では以前から子育て支援の財源確保について様々な議論があり、私たちが提言を手渡した時にも、総理自身から「消費税の見直しも選択肢としてある」と発言がありました。
1980年、共働き世帯は36%であったのが2017年には60%超になり、子育てを家族だけで担うことは難しくなっています。今こそ、大きく舵を切り、最大の国難である少子化問題を解決する必要があります。
ただし、消費税による経済への影響についてはあらゆる手段をこうじて徹底的に抑える必要がありますし、そもそも経済状況が悪ければ延期も選択肢に持つべきです。
過去の5→8%の際も税収増分7.5兆円のうち2.5兆円が社会保障サービスの充実、5兆円がいわゆる借金の返済に使われており、その結果、消費税がアップしても社会保障が充実したという実感はあまりないというのが現実でした。当時も、経済への悪影響と将来を考えて使途変更を提案していましたが、残念ながら大きな抵抗があり実現できませんでした。
このように重要な判断だからこそ、皆様から信任をいただく必要があります。
透明性のある行政を目指す
先の国会では森友学園、加計学園に関して議論がなされ、国民の皆さまから大きな不信を招きました。私自身も地元の皆様に厳しいお叱りをいただきました。
規制改革や特区の進め方に関して、違法なことがあったわけではありませんが、今後も総理自身が丁寧に説明をされていく必要があると考えています。
一方で、この問題で問われるべきなのは、問題の根幹である行政文書の取り扱いです。公正で透明性の高いルールをつくること、政権与党としての対応の見直しなど、私たちもしっかり正してまいりますし、疑惑の無いよう対応してまいります。
成長の果実を地域にしっかり届ける
日本経済の成長のためには規制改革・税制改革を進め、ビジネスがしやすく時代にあった元気な企業が次々と誕生し、歴史のある企業も前向きに取り組める環境をつくることがまず第一です。
その上で、企業間の取引や賃金において適切な対価が支払われるようにすることで、成長の果実が地域の企業や働く人の手元にしっかり届く環境をつくっていく、それが重要な仕事だと思っています。
そのためにも今後も大きな壁に立ち向かっていく、強い推進力を皆さんからいただきたいと思っています。
日本全体の景気浮揚だけではなく、地域の創意工夫を後押しする。皆様に成果を実感していただくための実行力。それを持っているのかどうかがこの選挙で問われると考えています。
声を力に
初回の選挙以来多くの応援をいただき、前回は初回より投票率が低下する中、得票数を伸ばすことができました。その影響力は国政において大変大きく、日本と福山の課題解決を強く前に進めることができました。
皆様の声を力に、国と地域の課題解決に引き続き邁進してまいりたいと思います。