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2026年3月4日 衆議院予算委員会 質疑

○小林史明

自由民主党の小林史明です。本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

まず、今回の質問の背景、問題意識を共有した上で質問に移っていきたいと思います。

言わずもがな、日本の根本的な課題は人口減少であります。これを反転させるために頑張っているところですが、そうはいっても、どんなに頑張っても、これが反転できるのは数十年後でありますので、その間は、我々、人口減少期を生きるということになります。

そこに対して希望がない、むしろ不安が大きいことが国民の皆さんの足を止めている要因だと思っていますので、今我々がやるべきは、人口減少しても成長する強い経済、そして、人口減少しても十分に運営できる国の形を示していく必要があると思っています。

分かりやすく考えていくと、2040年、現役世代の人数が今よりも8割になる、いわゆる8がけ社会を豊かにする戦略を広く国民と共有し、官民で取り組むことが重要になります。

そのとき目指すべき方向性は、あえて単純化をすると、テクノロジーを徹底活用し、徹底的に効率化を進めることで、今まで10人で行ってきた仕事を8人で回せるようにする、若しくは、付加価値を高め、サービス、製品の価値を、今まで100円で売っていたものを150円にしていく、この二つの道を我々は官民でどう実現していくかということが重要だと考えています。

この問題意識の下で、経産大臣、総務大臣に質問をしていきたいと思います。

まず、経産大臣、経済政策についてであります。

我々政府・与党では、徹底的に企業の国内投資を後押しをする大胆な設備投資税制、さらには、競争力を高めるための研究開発税制を具体化をしてきました。

今後は、高市総理が掲げる17の成長分野を中心に、責任ある積極財政という考えの下で、政府が複数年の予算にコミットし、民間に予見性を提供することで民間の投資を誘発をしていくという政策が進められる予定です。

これは非常に画期的ですので、きちっと協力をして中身を詰めていきたいと思っています。

ただ、それに加えて、根本的に必要なのは、やはり企業経営者や働く皆さんのアニマルスピリッツを呼び起こして、自律的に成長投資を行っていく、こういう環境をつくることだと思っています。

そこで重要になるのがコーポレートガバナンス改革であります。

というわけで、一問目はコーポレートガバナンス改革について伺っていきたいと思います。

経産省が2014年に出したいわゆる伊藤レポートから日本のコーポレートガバナンス改革は着実に進みまして、日本企業の経常利益は大きく改善をし、株価は10年で3倍を超えまして、直近は5万7千円を超えました。

一方で、自社株買いが10年前の数兆円から現在は20兆円近くに急増するなど、株主還元が大幅に増える一方で、設備投資や研究開発投資などの成長投資はそれほど拡大はしていません。

そして、賃上げ水準も十分とは言えない状況だと思っています。これを見ると、企業が短期的に対応できる株主還元が加速しまして、本丸であるはずの成長投資、ここが拡大し企業価値向上に続くという本来の姿にはなっていないと思います。

当然、企業価値を高める上で投資家の目線は重要ですが、それだけではなくて、経営者の大胆な意思決定、これを後押しする観点も加えて、成長投資を軸に企業価値を拡大していく成長志向型のコーポレートガバナンスへの転換を図ることが重要ではないかというふうに思っています。

コーポレートガバナンス・コードの改定は金融庁の下で間もなく行われる予定になっていますが、これは金融庁だけに任せるのではなくて、やはり産業政策を担う経産省として、企業の経営者に対して成長志向型の企業統治や資本配分の考え方について実務的に実装可能なガイダンスを示していくべきと考えますが、赤澤大臣の見解を伺いたいと思います。

 

○赤澤経産大臣

日本企業の業績や株価は改善傾向にある一方で、設備投資、研究開発、人的投資といった成長投資は、欧米と比べてもなお低い水準にあります。

株主還元に関しても、この10年間で大きく増加しているということです。

成長投資を通じて企業価値の向上につなげていくためには、資本効率の改善に加えて、事業ポートフォリオの不断の見直しや、成長事業への戦略的な投資の拡大を進めていくことが重要となります。

やはり問題意識としては、企業に稼ぐ力をつけてもらう、稼いだら、しっかりとROIとかの高い事業に投資をしていく。

ところが、見ていると、それを目利きをしてきちっとそういう事業を選び出して投資をするというよりは、どれに投資していいか分からない状況で、何となく、アクティビストに攻撃されると株主還元しちゃうみたいな感じのことも見受けられないでもないので、その辺を全部含めて、コーポレートガバナンスの中で、我々の思い、こういう企業に成長してほしいということをしっかり形にしていきたいと思います。

というのが魂の部分で、経済産業省としては、現在、金融庁の審議会において改定が進められているコーポレートガバナンス・コードとも連動しながら、今申し上げたような意味での成長志向型、きちっとROIの高い事業を見極めて、その事業分野に、稼ぐ力も必要だし、稼いだ上でそこに投資していくことも必要だ、両方ちゃんとやってくださいという実現に向けた検討を進めているところです。

具体的には、成長投資と株主還元のバランスで、今言ったようなことをやった上で、余力があれば株主還元も考えてくださいというのが取るべきバランスだと思うので、成長投資の拡大に向けて、企業と投資家が共有すべき内容を整理をした成長投資ガイダンス策定に向けた議論を進めてまいります。

 

○小林史明

重要な観点、答弁をいただきました。

その際に、先ほども議論がありましたけれども、投資効率を求める議論が多いんですけれども、効率だけじゃなくて、やはり規模を拡大する観点、そして、先ほど言った株主還元のところも、時間軸を入れて、ずっと株主還元するなということではなくて、むしろ、成長投資をして企業を成長させ、その中からまた株主還元をしていくということが株主にとってもプラスになっていくという観点で、時間軸を入れて是非議論をいただきたいと思っています。

では、二問目に行きたいと思いますが、先ほどの議論の中で、アクティビストの話がありました。

よくあるのは、経営者のマインドがよくないんだという議論が行われがちなんですけれども、そのマインドをつくっている一つが、このアクティビストの活動だと思っています。

当然、経営陣に緊張感は必要ですから、アクティビストの存在を否定するものではありませんが、どうも見ていると、世界の中でアメリカに次いでアクティビストの行動が活発しているのが日本だと言われており、企業、経済界からも、株主提案権が海外の制度よりも非常に濫用されやすくなっている、つまり、日本だけがアンフェアな状況で戦っているのではないかとか、投資家と対話しようにも、実質株主の持ち株割合が、実態把握ができないじゃないかという声があります。

また、経産省が2023年にまとめた企業買収行動指針が、買収時には提案価格だけ、高値の買収のみを優先すべきといった認識が広まってしまっていることへの懸念も聞いております。

ここは決して日本だけ守ろうということではなくて、世界と同じレベルにしっかりやっていくという意味で、経産省として会社法の見直しや企業買収行動指針の活用状況の検証などをすることが重要ではないかというふうに思っていまして、これは、会社法は法務省だったりしますので、そこも含めてやはり経産大臣として是非見ていただきたいと思いますが、赤澤大臣、いかがでしょうか。

 

○赤澤経産大臣

フェアで迅速かつ果敢な経営判断をしやすい事業環境の整備の観点からは、会社法改正の御提案がありましたけれども、一つは、迅速で果敢という意味で、株主提案できる権利の要件の引上げをする、余り乱発されないようにということが一つでありますし、フェアという意味では、議決権行使を指図できる実質的な権限を持つ者を把握できる制度の創設といったようなものを今法制審議会で我々は提案をしております。

委員の問題意識も踏まえて、法務省と調整をしていきたいと思います。

また、2023年に策定した企業買収における行動指針も御指摘のような問題点があるやに聞いおりますが、アクティビストとかだけではなくて、これは責められたものばかりでもないと思いますけれども、場合によっては証券会社が高値で売ってくださいという強いお願いをする、そういった流れの中で、解釈として、例えば高い価格での買収提案は断れないとか、シナジーとか度外視して高いところに売ってしまえみたいなことはいいことかという話はありますね。

それから、複数の提案がある場合は買収価格が高い提案を選ばないといけないなど、必ずしもそういう趣旨で我々は申し上げていないけれども、誤解されている可能性があると認識をしています。

こうした点については、経済産業省として実態調査を行っておりまして、誤解等が確認されれば正しい解釈を周知徹底してまいりたいと思っています。

これらの施策も含めて、経産省としては、企業による果敢な経営、大胆な成長投資を促すよう、様々な施策を講じてまいります。

 

○小林史明

前向きな答弁をいただきまして、ありがとうございます。是非頑張っていただきたいと思います。

三問目です。日本の将来を思ったときに、結構、若い人たちが、日本の経済状況を見ると、厳しい状況だというふうに思われるんですが、やはり議論のときに重要だと思っているのは、当然、今の瞬間の経済のフロー、量を見る、それも大事だと思うんですけれども、ストックも重要だと思っていまして、成熟国日本として、やはり2千兆円の金融資産がある、これをしっかり運用していけばまだまだ成長可能であるし、それは、お金だけではなくて、大企業等の大きな企業が持ってきた人材や事業、研究開発のここのストック、これも非常に大きな力があると思っています。なので、我々はスタートアップ五か年計画を進めてきましたけれども、やはり大きな成長ドライバーとして、大企業がまだまだこれは成長できると思っています。

そのときに考えなきゃいけないのは、企業の事業再編の後押しがいよいよ必要ではないかなというふうに思っています。

例えば、日立は、材料分野などの非中核企業を売却をしまして、金属、化学などの子会社も整理し、そこで得た資金を活用して鉄道、エネルギー分野の企業を買収をして、更にAIも活用して企業価値を物すごく高めることに成功しています。

これは、日立から切り出された事業や会社も、別の事業体の下で実は企業価値が上がっているんですね。

なので、こういったことを後押しすることは、個社の利益だけではなくて、日本全体の生産性を高めることにもつながりますし、そこで働いている皆さんの幸福度も上がっていくんだろうと思っています。

なお、大臣の同級生でもあります日本取締役協会会長の冨山和彦さんが、日本企業はこのポートフォリオ経営が苦手な企業が多くて、いろいろなしがらみや障壁があってうまくできていない。本来は、こっちの事業をやめてこっちを伸ばすということをセットで考えていく必要があるんだよなということで、様々な提言をいただいています。

日本の経済の全体の新陳代謝を高めて成長を後押しするためにも、こうしたベストなオーナーの下に事業がどんどん転換をされていって全体が伸びていく、こういう後押しを税制も含めて考えるべきじゃないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

 

○赤澤経産大臣

IGPIグループの冨山会長は、中学一年からの50年以上のつき合いですので、よくそういった話もさせていただきます。

恐らく、先ほどおっしゃったこと、念頭に置かれたのは、日立が日立化成を、昭和電工ですか、現レゾナックですかね、に売った例ということだと思いますが、大変重要な考え方で、冨山会長が本に書いていたのは、「両利きの経営」というのを彼が日本に紹介したと思うんですけれども、要するに、稼げる部分でしっかり稼いで原資をつくった上で、片方で成長がすごく見込まれる分野にも投資をして、両方きちっとやっていくというのを両利きの経営と言っていたと思いますけれども、そういうことをしっかり追求をしていく。

それが、日本の企業は、得手不得手があるということでいえば、なかなか不得手な企業が多いということで、今まさにおっしゃったような考え方で、しっかりポートフォリオを、事業も、検討し尽くして、考え抜いて、何でキャッシュをつくるのか、それをどこに投じるのか、そういったことは本当にきちっとよく考えた上で経営をしてもらわないと、なかなかこれからの時代は厳しいということを思います。おっしゃるとおりだと思います。  

 

○小林史明

是非税制も考えていただきたいなと思っていて、今、スタートアップだと、スタートアップで成功した起業家が、株式を売却をして、それをまた別のスタートアップに投資をするというふうになると、年間20億円まで、このスタートアップの株を売却した株の、非課税の枠というのがあります。

これを企業でもできるようにしたらどうかなと。つまり、既存事業を切り出す、それで得られた収益、金額が出てくるんですけれども、それを複数年の間に別事業に再投資をすれば、その間、ここは税にヒットしないみたいなことをやれば、どんどんそういう後押しもできるんじゃないかと思うので、是非そういった税制も考えていただけたらなと思っています。

では、ここから二問、林総務大臣に伺いたいと思います。

人口減少する中で強い経済をつくるためには、企業や個人が今まで以上に意欲と能力を発揮できるように、規制改革を進めることも重要だと考えています。

2024年から、デジタル庁を中心に、目視や定期検査、対面講習、常駐・専任など、約一万のアナログな手段を限定する規制、これの見直しを進めてきました。

2026年には、2月時点で98%、見直しが完了しています。実際に効果はどれぐらいあるかシンクタンクが試算をすると、GDPで3.6兆円の上げる効果だけではなくて、25万人分の作業時間を削減する効果もあると言われていますので、まさに8がけ社会に必要な規制改革だと思っています。

これを、国ではやったんですが、自治体の条例にたくさん残っているということで、デジ庁がいろいろ支援をしてやってきた結果、2025年時点で、1788の市区町村で、実施済み、実施中が414、実施予定が334、未定が1040。この1040が、ほとんど小規模自治体なんですね。

これは、本来、小規模な自治体こそ規制改革をやって効率的に運営したいはずなんですけれども、人手が足りなくてできないと言っていますし、こういったいろいろなサービスを提供する企業からすれば、地域ごとにルールが違うと非常に非効率なサービスになってしまって、大規模な投資もできづらくなってしまいます。

であるならば、本来、総務省が、自治体をまとめて一括的に見直すような取組をやっていいんじゃないかと思います。是非考えていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

 

○林総務大臣

大変大事な御指摘だと思います。

デジタル社会の実現に向けて、自治体におけるアナログ規制の見直しを含めて、国民目線、そして利用者目線で地域のデジタル改革やデジタル実装を進めていくということが重要であると考えております。

委員が御指摘になったように、国が進みました、民間ももうできております、ただ、市役所へ行くとちょっとね、こういうことを私も地元の人やいろいろな方からよく聞くわけでございまして、結局、デジタルというのは全部デジタルで一気通貫していないとなかなか効果が上がらないので、最後のところがはまると非常にこの効果が上がるということだと思います。

それに向けて、総務省としても、自治体における書面規制、押印、対面規制の見直しに係る留意事項というのを通知を出しております。

それから、自治体向けの説明会、さらには自治体DX推進計画等を通じた国の取組方針そして取組支援策等の周知を行ってまいったところでございます。

どうしても、小さい規模のところほど、財政もそうですが、人員という意味でも大変だ。こういうところも含めて、引き続き、デジタル庁等と連携しながら、それぞれの自治体において、デジタル社会の実現に向けた重点計画を作っております、ここに掲げられているデジタル原則に沿って、アナログ規制の見直しが早期に進むように、自治体の取組を引き続き促してまいりたいと考えております。

 

○小林史明

是非、前向きな取組をお願いしたいと思います。

勝手に名前を出して恐縮ですけれども、今日、政府参考人で小川局長に来ていただいていますが、当時、個人情報保護条例2000個問題というのが昔ありました。

自治体ごとに個人情報保護法の下に条例を作ったんですけれども、この基準がかなりばらばらなので、結局、データ活用が全国でできないということがあった。

当時、小川局長が頑張っていただいて、国で個人情報保護法を改正をしていただいて、全国の条例を一律に実は整理をするということをやっていただきました。

やればできることはたくさんあるんだと思っていますので、このアナログ規制の改革というのは、嫌がる人は本当にいないんですね。

やるだけで一気に生産性が上がります。皆さんの地元の一級河川なんかは、河川敷に道路が走っていると思いますが、あれはマラソンするためのものじゃなくて、軽トラが走って目視点検するためのものになっています。

これは、目視規制を外した結果、全部ドローンで点検できるようになって、3Dデータが手に入る、こういうことになっているわけですね。圧倒的に生産性も上がるし、そのデータを活用してまた新たな事業も考えられるようになるということなので、是非、この規制改革、高市政権でも重要視していただいていると思いますが、早くできるところ、特に地方から是非お願いできたらと思っています。

もう一点、行きたいと思います。先ほども申し上げたように、8がけ社会の到来の前に、もう既に自治体は仕事が回らないという状況になっているのが実態です。

ですので、そろそろ、自治体ごとに個別でやるべき業務と、国や都道府県が一括して引き受けてしまって効率的に運営する業務、再整理が必要なタイミングではないでしょうか。

例えば、奈良県は、市町村ごとにあった消防本部を県で一つにすることによって、1円も予算を増やさずに、現場職員を120人増やすことができています。

当然、各本部ごとにバックオフィスに人がいるわけですから、その人たちが表に出ることができたということです。

教育分野では、先行事例として、GIGAスクール端末の購入を、最初、自治体ごとにやったんですが、物すごく手間だし、コストがかかるということなので、これを都道府県単位でまとめて調達することで、コストを抑え、手間を省くことができています。

このように、少しやり方を見直していくことで、まだまだ効率化できることがあると思っています。

8がけ社会に適応した政府の形というのは、全国で同じような業務は国や都道府県がやる、テクノロジーを徹底活用して、調達、運用に係るコストを抑えて、その分、浮いたお金を必要な現場の人材の処遇改善や設備投資に回す、業務に余裕のできた市町村は、より対面であったり個別に工夫が必要な分野にリソースを集中させていく、そういう国の形なのではないかというふうに思います。

そのために、デジタル行財政改革会議を当時立ち上げて議論を進めてきました。

その会議を担っていた小川さんが今総務省に戻って、地方制度調査会を回し始めているということで、いよいよ本丸の議論が総務省の下で始まっているわけであります。

そこで、是非期待をしたいのは、今までの国、都道府県、市区町村、この業務のやり方、分担は、人口が増える時代を前提にしていて、しかもテクノロジーがそんなに進展をしていない時代に整理をされたものです。

これを、やはり現代から2040年を見据えた新しい形に切り替えて議論を是非していただきたいと思います。

これは明らかにこの国の形を変える非常に重要な議論です。多分、分野によっては十年かかるような分野があると思います。

例えば、上下水道の改革、これも、約1500の事業体で行われていますけれども、本当は県単位で広域化すればもっと現場投資できるはずですけれども、かなりの調整が必要だと思います。

だからこそ、今から2040年を見据えた青写真を描いた上で、大臣のリーダーシップの下でこの議論を是非まとめ上げていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

 

○林総務大臣

十年以上前に地方分権の議論をしたときに、共通システムという言葉を発しただけで、何だか地方分権に逆行するんじゃないのみたいな議論が当時あったことを今懐かしく思い出しておりましたけれども、今では余りそういう議論はなくなって、むしろこの8がけの社会に対してどういうことをやっていかなければならないのか、こういうふうになってきていると思います。

今、小林委員から触れていただいたように、三十四次の地方制度調査会で高市総理から諮問いただいておりますけれども、その中で、国、都道府県、市町村の役割分担の在り方、これを明記していただいております。

どうやったら持続可能で最適な形で行政サービスが住民に提供されるか、極端に言うと、国、都道府県、市町村で、誰がやればいいのかというところに恐らくなってくる、こういう諮問でございます。

一方で、人材が不足しているという御指摘も先ほどありましたし、デジタル技術も進展している。

この人手不足とデジタル技術というのは相性がいいと言われていたんですが、ガバクラをやってみると、なかなか最初のところは結構大変だなということもありますが、恐らく、先ほどお触れになった冨山さんの御主張なんかを聞いていますと、DXよりも更に先のAXの方が、こういう人手不足とは更に相性がよくなるんじゃないか、こういう御示唆のようなことも来ておりまして、デジタル技術の進展も含めてこれを考えていくという意味で、少し長い目で見て考えていくということが必要なんだろうというふうに思っております。

こうしたデジタル行財政改革における取組また技術の進展、こういうものも参考にしながら、役割分担の在り方に関する闊達な議論が行われるように、事務局、今お触れいただいたうちの小川局長もいるわけでございますので、総務省としてもしっかり尽力してまいりたいと思います。

 

○小林史明

ありがとうございました。やりたかった質問が終わってしまって、非常に端的で前向きな御質疑をやれたかなというふうに思っていますので、あと追加は、少し問題意識を最後に共有させていただいて、次の質疑者に回していきたいというふうに思っています。

今の地制調での議論、本当に重要だと思っていまして、一つの観点は、いかに行政の形を効率的に回して、現場の負担を下げつつも住民サービスをよりよいものにしていくかという観点で取り組んでいく必要があると思っています。

二つ目は、民間の事業者にとっても実は経済成長の機会になるということなんです。例えばですけれども、今回初当選したメンバーの中に、埼玉の選挙区で藤田さんという方がいらっしゃいます。彼はスタートアップの経営者で、衛星画像を基に、農地の実地監査というのがまさにアナログ規制であったんですけれども、これは、農業委員会の方と市町村の農家の方がわざわざ農地に軽トラで見に行ってチェックをしていた、適正に活用されているのかということをやっていたわけですけれども、これを全部衛星画像でやれるようになったわけですね。物すごい生産性の向上なわけです。

ですが、じゃ、こういった事業者が次に提案しに行こうとすると、1700の自治体に一個一個提案をしに行くことになります。そんなに営業所が置けるだろうかと思うと、結局なかなかそれは行き着かないわけでして、成長の阻害要因になっているんですね。

これを例えば都道府県単位で調達するようになるというふうになると、47の営業先になりますし、調達の金額ロットも大きくなってくるわけですから、非常にビジネスの将来性が見えやすくなってきます。

これは上下水道もそうでして、上水道で1500、下水道で1500みたいな形で運営をされているんですけれども、これもやはり様々な調達コストがかかってきますし、今、スタートアップが、漏水をAIを使って7、8割の精度で点検できる、先にそこに手を打てば漏水を止めることができるということをやっていますけれども、これも、結局、提案に回るのが大変だというふうになっていますので、そういう意味では、新しい事業者の成長を加速し、民間企業の投資を促す上でも、この改革というのは是非やっていただきたいなと思っています。

そして、林大臣はかなり御理解があるので、是非これも検討いただきたいと思うんですけれども、もう一つの形というのは、どちらかというと、住民接点を国で一括で担っていってはどうかという考え方です。

多分、それぞれの省庁も、そしてそれぞれの自治体も、かなり住民から問合せの電話というのはかかっています。これを国家公務員も受けていますし、市町村の職員もひたすら受けているんですね。

でも、今の技術では、AIのコールセンターでお店の予約も可能になっていますし、様々な問合せ対応もできるようになっている。だったらば、一分野でもいいので、国一括のAIコールセンターをつくってしまって、そこで、本当に必要な個別対応について市町村に回す、それ以外はAIの回答で対応していくということができれば、市町村の業務、さらには国家公務員の業務というのは相当楽になるはずなんです。

これは、楽になるだけじゃなくて、全国の電話を受けるようになると、全国で国民が何に悩んでいるのか、何が分からないのかというビッグデータが集まるようになってきますから、そのビッグデータを分析をして、より優先順位の高いものから手当てを打っていくという、物すごく速いPDCAサイクルを回すことができるようになります。

これが、恐らく、我々が目指すAXした国の姿なんだと思うんですね。

でも、それをやるためには、今までの国、県、市町村という役割分担では絶対できないようになっていますので、これをやはり試行的にやりながら新しい国の形を目指していくということを是非やっていただきたいなというふうに思っています。

そういったことを進めていけば、冒頭申し上げましたとおり、人口減少するからこの国はオワコンだと言っている若者に対して、いやいや、そんなことはない、むしろ、人口減少する中で、一人一人が豊かになれる、もっと多くの人にチャンスがある、そして、その先に、そこに希望を見出した皆さんがまた前向きな行動を起こす中で、数十年後、しっかり人口減少が下げ止まって、またその先の日本の姿があるのだということを示していくことができるのではないかと思いますので、是非、経産大臣、そして総務大臣、お二人には、こちらの分野に光を当てていただいて、前に進めていただきたいということをお願いをいたしまして、質疑を終えたいと思います。ありがとうございました。