自由民主党議員有志 提言全文:「9月入学制度」の問題点と子供達の学びの保障について
「9月入学制度」の問題点と子供達の学びの保障について
令和 2 年 5 月 22 日
自由民主党議員有志
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、多くの学校で2か月余りの休校が 続いている。子供達の学びの機会を取り戻すことは喫緊の課題である。ま た、今年度中に受験を控えた生徒達に、入試のスケジュールを早急に示さ なくてはならない。そうした中、政府与党内では、学びを取り戻す選択肢 の一つとして、「9月入学制度」についての検討が進められている。
「9月入学制度」については、これまでも何度か検討された経緯があり、 一定の意義があることは認識しているが、以下の通り様々な課題があるた め、拙速な議論に反対すると共に、慎重な検討を求めるものである。
① 子供達の学びが半年遅れとなる(7歳半の小学校入学は主要国で最も遅い)。
② 今後コロナ等の感染症が流行する度に、学校教育を後倒すのか。
③ 移行期に、子供達にとって重大な問題が発生する (例:待機児童の大量発生・学齢区分の変更に伴う問題・小1プロブレムの深刻化・年長クラスを経ず小学校進学の可能性等)。
④ 移行期に、家計の授業料負担が増加するか、学校側の授業料収入が減 少する。それを財政で補填するには、数兆円規模の歳出が必要となる。
⑤ 卒業時期を後倒すことで、業種によっては、労働力不足が深刻化する。
⑥ 制度移行には、30本以上の法改正など多くの制度改正が必要となる。 既に教職員の働き方改革やプログラミング教育等が行われる中、現場 レベルでも混乱なく実行に移すためには、準備期間が必要となる。
その上で、子供達の学びを取り戻すため、政府においては、今年度・ 来年度については、夏休みや土曜日などを有効活用することで、12 か月 分のカリキュラムを1か月程度短縮する具体的な方策を速やかに学校 現場に示すべきである。また、今年度の入試時期も早急に明示すべきで ある。 (以 上)
― 自由民主党議員有志 ―
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