阪神淡路大震災から24年 防災とボランティアを見直す
阪神淡路大震災から24年、今日1月17日は防災とボランティアの日です。
平成7年の阪神淡路大震災以来、23年の東日本大震災など、平成は災害によって日本は国のあり方を問われ続けてきました。30年の大阪府北部地震、西日本豪雨災害、北海道胆振東部地震等の被災状況を見ると、対策は十分とはいえず、政府としてその方向性を模索し続けています。
一方で、災害ボランティアは平成で一気に普及しました。平成2年の雲仙噴火災害、平成5年の北海道南西沖地震あたりから活発化が見られ、平成7年の阪神淡路大震災では延べ137万7,300人のボランティアが活躍しました。後に平成7年は「ボランティア元年」と言われ、政府の「防災基本計画」に「防災ボランティア活動の環境整備」「ボランティアの受入れ」に関する項目が追加されました。また災害対策基本法の改正により、「ボランティア」と言う言葉が我が国の法律に初めて明記され、毎年1月17日を防災とボランティアの日と定めました。
しかし、ボランティア活動が活発になる一方、受け入れ体制の整備が追いついていません。例えば、ボランティアの受け入れを、事前にFAX等で登録してもらう方式もあれば、当日、受付に並んでもらって上限に達した段階で打ち切る方式もあります。意欲を持ってボランティアに参加しようとする方々の意欲を削いでしまうのは非常に勿体ないですし、管理する側の社会福祉協議会の職員の手間もかかっています。
本来なら、全国共通のボランティア管理システムを整備することで、参加者はスマホやPCから簡単に申し込みでき、管理者もクラウドベースで作業し、他の自治体から応援にきた職員でもスムーズに支援に入れる環境をつくることが可能なはずです。
対策の進まない大きな要因として、地方分権という理念のもと、災害対応は基本的に自治体に一任されていることが考えられます。災害はいつどこで起こるかわからず、自治体ごとに情報ルートと運用リソースを確保するには、設備、コスト、人員、対応能力などにばらつきが生じ、支援する側もされる側も毎回その自治体の状況を学習するところから始めなくてはならず、初動が遅れるのです。初動の遅れは二次災害の大きな要因です。
実際に西日本豪雨災害の際には、アクセス過多によりサイトへ接続できず道路情報が確認できなかったり、被災自治体によって提供する情報手段が異なることから混乱が発生しました。
避難所の設置・運営も内閣府防災担当ではガイドラインを整備していますが、実施は各自治体となっており、避難所運営のノウハウ不足、行政職員といえど被災した当事者が避難所を運営し、被災者支援をすることの限界など問題点が露呈しました。
私自身も被災地域で活動していて、被災者にとって必要な情報がまとまっていないことの不便さを痛感し、ブログにまとめたところ非常に多くのアクセスがあったことから、多くの方が困っていたことがわかります。
このような問題は、これまで通り被災地の対応を自治体に任せっぱなしにしていては解決しません。災害対応の一部を国で「標準化」し、平時・発災時に関わらず災害に関する情報把握と共有、そして災害対応を官民連携して進められるようにする必要があります。
具体的には、情報提供体制、避難所運営マニュアル、被災自治体支援、ボランティア受付、支援人材の育成等について、共通システムの構築と標準ルールの策定をすることです。
昨年の西日本豪雨災害を地元で経験し、ボランティア活動に参加して以来、災害対応のありかたについて、頭を悩ませない日はありません。国民が安心して毎日を過ごせる国をどうつくるか、これは政治家として基本の仕事であり、どのような政策よりも優先すべき事案です。今後、党内に災害対策に特化したプロジェクトチームを立ち上げ、集中して取り組む予定です。
災害対策でこのような制度整備をやるべき!ということがあれば、ぜひ 下記LINEやTwitterからお知らせください。
地域課題解決に取り組む際の政治・行政・住民のパートナーシップを、陳情型の昭和フォーマットからポスト平成時代を見据えた共同解決型の”福山フォーマット”へ転換したいと考え、日頃から地域活動に取り組んでいます。具体的に結果を出すことができた事例をブログに書きました https://t.co/FhTf2Z6Wtw
— 小林史明(衆議院議員/広島7区/福山市) (@kb2474) 2018年11月25日