体験型漁業のススメ
最近メディアで政治活動や政策についてお話しする機会が増えて大変ありがたいのですが、必ずいただくのが「なぜ水産改革に取り組んでいるのですか?」という質問です。通信やテクノロジーに関わる内容の場合、理工学部の卒業で、NTTドコモの出身となると、テクノロジーに注力しているということは容易に連想されるのですが、ところで私、水産政策もやっていますというと、皆さん驚かれるのです。
地元の皆さんはよくご存知ですが、私の実家は創業100年超の漁網メーカーです。子供の頃から漁業が身近で、全国の漁業の情報が入ってくる環境で育ちました。昨年、70年ぶりの漁業法改正に漕ぎ着けたことは、日本漁業の課題を知るものとしては悲願であり、日本の水産業全体はもちろん、全国津々浦々の生活が発展し、持続可能になると確信しています。
一方で、私にとって漁業は身近すぎることから、その魅力を見落としてしまうこともあります。地元の福山市では、漁船に乗り込み、漁を見てもらい、獲った魚介を食べていただくような観光漁業のプログラムを提供しています。しかし広報活動が難しく、観光で広島にいらっしゃる方等になかなか知っていただくことができていません。私自身も知らないプログラムも多く、どのくらい可能性があるのか、見当がつきませんでしたが、実はとても大きな可能性のある観光資源だと気付きました。
きっかけは、Facebookにポストされた東京に住む友人の観光鯛網漁の体験記です。観光鯛網漁は1923年から毎年4〜5月にかけて長年提供されている福山市の観光プログラムで、この地域独特の漁を観光船から見たり、漁をする船に乗って実際に漁を体験することができます。私にとっては子供の頃から見慣れた光景でしたが、東京の人にとってはゴムエプロンをして、ハッピを着て、漁を体験できることなど滅多にないことで、存分に楽しんだ様子が伝わってきました。早速その翌週、私も乗船。網を引いたり船を漕いだり、確かに非日常感が高く、これはもっと広く知っていただき、皆さんに楽しんでいただきたいと思いました。
また、内海町で最近スタートした牡蠣の養殖も、養殖業としてだけでなく、観光漁業としても未来があると感じました。牡蠣の養殖場は港から少し離れたところにあり、漁船でちょっとしたクルージングを楽しめます。養殖場で自分で種付けをして、育ったところで引き上げた牡蠣を船に積んで帰り、バーベキューなど、楽しそうです。その場で食べた牡蠣も海の味そのものでとても美味しかったです。
先日は海苔の収穫を体験し、製造の過程を見ました。昨年11月に一度、種付けをした海苔を見たのですが、海苔は網に種付をして、プランクトンを食べ育ちます。クリスマスの頃が一番海苔と呼ばれ、その後、年をまたいでシーズンで4ー5回収穫を繰り返しますが、一番海苔が一番柔らかく風味があり価値が高いものになります。
収穫は専用の漁船で種付けた船の下を潜るようにして海苔を剥ぎ取ります。船に乗って海苔を浴びんばかりの景色が目の前に広がります。そして一度船に溜めて、着岸したらポンプで吸い上げ、加工場に送ります。その場で獲れたての海苔をご飯と一緒に食べられたり、自分で収穫した海苔を瓶に入れて持って帰ることができたら最高の体験になるでしょう。
魚が獲れて高く売れることはもちろん漁業にとって大切なことですが、多くの方が観光を通じて体験することで、漁業が皆さんから注目されて応援していただくことも、結果的に日本の水産業の成長につながります。
今回、私の地元の福山市にある2つの島(田島・横島)からなる内海町の若手漁師と有志が立ち上げた民間団体「ウツミ・フィッシャーマンズ・フェスト実行委員会」が、広島里山クラウドファンディングを活用した資金調達を始めました。
4月20日にクレセントビーチで開催する内海町の魚を漁師と共に味わうフェス「ウツミ・フィッシャーマンズ・フェスト」の開催と広報活動のためのもので、目標金額は70万円です。ファンディングのお礼に、体験プログラムを多く提供しており、皆さんにも漁業を体験して美味しい魚を食べていただけるプログラムになっています。
2月28日(木)までこちらのページ で募集しています。
皆さんのご協力をよろしくお願いします。そして内海町のフェスでお会いしましょう!
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— 小林史明(衆議院議員/広島7区/福山市) (@kb2474) 2018年11月25日