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標準化で推進する地方創生

先日、”熱意ある地方創生ベンチャー連合”とスタートアップ都市推進協議会の共催による「地方創生ベンチャーサミット2019」にお招きいただき、井上高志さん (株式会社LIFULL 代表取締役社長)、髙島宗一郎さん(福岡市長)、吉田 雄人さん(熱意ある地方創生ベンチャー連合 事務局長)と「ローカルテック(地域×テクノロジー)の可能性」をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。4回目となるこのイベントは、今回、休日にも関わらずキャンセル待ちが出るほどの満席で、関心の高さがうかがえました。


「地方創生」は、2014年に第二次安倍内閣において、当時すでに懸念されていた人口減少と地方の過疎化に対する解決策の一つとして、地方における安定した所得を得られる雇用を創出することを目的に掲げられた政策テーマで、魅力ある地域をつくり、地方への新しい人の流れをつくることが主な目標です。

地方創生という言葉をメディアで見ない日はなく、年間1000億円の「地⽅創⽣推進交付⾦」と1兆円の「まち・ひと・しごと創生事業費」が分配、支給されており、観光政策や関連のイベントも全国で開催されていますが、交付された予算の使い方は各地域に一任されていることから、成功している地域とうまく使い切れていない地域の差が大きく、具体的な成功事例はできてきていますが、まだまだ改善の余地はあると感じています。

今回、パネルディスカッションでご一緒した、LIFULLの井上さんの「LIFULL地方創生」プロジェクトのプレゼンテーションは非常に興味深く、民間企業のアイディアと実行力で、全国で各自治体が個別に公開している空き地、空き家の情報を全国で一元化して、物件の利活用を促進するサービスを提供されています。社長の井上さんもご自身のオフィスを福島に構え、朝ワカサギ釣りをした直後に会議をするという、仕事と地域ならではの楽しみをインテグレートしたライフスタイルを実践されているとのことです。規制や行政とのやりとりで困っていることはないかと聞いたのですが、「ないです」ときっぱりおっしゃられ、大変頼もしくお話を拝聴しました。

私からは地元、福山市役所における兼業人材の活躍や、長島町における地域おこし協力隊の兼業による活躍を紹介し、十分に地域に活躍のチャンスがあることを伝えるとともに、その成功事例から、柔軟に人材を受け入れる環境整備の重要性を伝えました。

地方創生の最も大きな課題でありながら最も大きなチャンスだと考えているのが、情報の一元化、情報インフラの標準化です。地域ごとにそれぞれ事情があり、本来は地域ごとに独自のアイディアで力強いプロジェクトを運営できるのが理想ですが、この空き地・空き家のように、一部の大都市以外は共通する課題を地域それぞれで頑張っているケースも多く、国で情報を一元化して、標準化されたインフラで情報を全国の人に提供できれば、地域はその予算や人員を別のことに使えます。このプロジェクトも、国土交通省が推進する「全国版空き地・空き家バンクの構築運営に関するモデル事業」の運営をLIFULL さんが一部受託している格好で、 地域ごとに情報提供されているが故に100m先の隣の地域の物件情報が、探している人に届かないというような問題が解決されます。

防災の観点ではありますが、地方創生という意味でも、私がまず着手したいと思っているのは、災害情報の一元化、情報インフラの標準化です。昨年の西日本豪雨で自ら体験しましたが、災害時の道路交通情報が地域ごとに提供されていたり、ボランティアの運営方法が自治体ごとにフォーマットが違ったりしていると、いざ大災害というときに、被災者やそのご家族はもちろん、救助する側もまずはその整理から始めなくてはならず、初動が遅れます。そのようなことが続けば、せっかく”創生”した地方も、災害のたびに振り出しに戻ることを余儀なくされます。この辺りはメディアのインタビューやイベントに登壇したときに度々お話ししており、ぜひ共感できるものがあれば、シェアしていただき、世論の盛り上げもご協力をお願いしたいと思っています。

産經新聞:【突き進め!!亥年】自民・小林史明行革推進本部事務局長 社会システム「標準化」推進を

IT Media: 必要なのは地方分権ではなく「標準化」、これからの行政に求められるITインフラ施策とは

政治山(Yahoo News) : テクノロジーでフェアな社会を―2020年ネット投票実現に向けて

文春オンライン:災害復旧を拒むバカの壁――なぜシステムの標準化は進まないのか

CNET Japan: 人とテクノロジを信じて政治家・小林史明氏が挑む「日本のアップデート」

皆さんの地域でも、これは国が情報を一元化して標準化されたインフラにしてくれればいいのに、と思う案件があれば、ぜひ @LINE からお知らせください。皆で日々の作業を簡単に、そして、地域を盛り上げて行きましょう。

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