#kobafumihuddle デジタルで未来をよくしよう 春の全国ツアー2023 Vol.3 京都
全国各地の良いところ、課題、解決策を皆で共有、議論して、今年は地方から日本を塗り替えていこうと出発した”全国ツアー“ 。熊本→兵庫とご当地ネタで想定以上に盛り上がり、3回目は京都。人口減少と財政難の課題を抱えつつ、予算の厳しい小さな街での行政と民間の協力、政令指定都市の重複行政の課題解決など、地元で奮闘する議員と一緒に議論しました。
将来の財政を見据えて無駄を省けるよう、行政改革に取り組んでいたり、自ら立ち上げたNPOで過疎地の交通課題解決に取り組んでいたりと、地域課題解決を実践する二人の姿勢はこれからの地方議員の姿そのものだと感じました。
二之湯しんじ 京都府議会議員(京都府京都市)
四方源太郎 京都府議会議員(京都府綾部市)
小林史明 衆議院議員 (広島7区/福山市)
小林:まず四方さんから自己紹介をお願いします。
四方:四方源太郎と申します。京都府議会議員で、今3期目です。この前の選挙まで青年局長をやっていまして、その頃小林さんが青年局の幹部でおられて。
私の選挙区は綾部市というところで、京都から1時間ぐらい北に行った山の中にありまして、人口3万人ぐらいの小さい街です。グンゼという会社の創業の地であったり、あと「大本」という宗教の団体が開教したところで、合気道がこの大本の関係で生まれたりとか、ちょっとスピリチュアルな街で、綾部市の市民憲章にも一番最初に、「平和を願い、祈りのあるまちにしよう。」とあります。戦争中にそのオオモトが弾圧を受けた歴史もあったりしたので、平和を願う祈りの街です。
小林:よろしくお願いします。では、二之湯さん。
二之湯:二之湯と申します。小林さんが自民党青年局の局長だったときに、私も京都府連の局長をしておりました。現在4期目。二之湯というのは、名前が変わっていますので、ご存じの方もおられると思いますけれども、去年の8月まで国家公安委員長を務めていてた二之湯智は私の父で、私は次男です。そういうことで、28歳から議員をさせていただいております。
小林:今日は京都の事例を全国に共有しながら、地域から世の中をよくできるという可能性を広げられたらいいなと思っています。今日はよろしくお願いします。
まずはこのシリーズは、地元自慢から入るということになっていまして…
四方:綾部市で生まれた一番の有名人というと、室町幕府をつくった足利尊氏が生まれたという、諸説あるんですけど、綾部市説も有力な説としてあって、足利将軍が代々守ったお寺なんかも残されているとか、そういう歴史が深いというか、昔からのいろいろな歴史のある街です。
小林:遺跡とかあるんですか?
四方:遺跡もたくさんあって、綾部だけではなくて、京都の北部って、今、教育委員会が調査しただけで1万個ぐらいあるんですよ、古墳が。綾部だけで1,000。それぐらい丹波丹後というこの地域は、日本が始まったみたいなところであって、そういういろんな歴史があるんですよね。大本という宗教も、いろんな預言を言うわけですけど、その中には、綾部は末で都となるぞよみたいな預言があったりして、小さい街ですが、我々からいろいろなものを発信して、世の中を変えていくみたいな、そういう気概を持った街であります。
小林:始まりの街なんですね。
二之湯さんの地元自慢を教えてください。
二之湯:私は京都市右京区を選挙区としていますけども、一番有名な観光地は嵯峨嵐山だと思います。渡月橋ですね。天龍寺、大覚寺だとか、お寺を挙げると枚挙にいとまがないと。あと、愛宕神社の総本山があります。愛宕山もあります。和室に昔は床の間があって、そこの床柱を磨いていたような木も、そこの区でたくさん作っております。
私が住んでいるのは太秦というところで、太秦は平安京でいうと洛外なんですけど、その平安京を造ったのは、大きな功績があったのは渡来人の秦氏という一族で、その秦氏の拠点が太秦。こちらに国宝第1号弥勒菩薩半跏思惟像が安置されている広隆寺があります。映画村とか、映画の撮影所も二つ。
小林:すごいですね。それ噛まずにスラスラ出てくるんですね。コンテンツが強過ぎますね。
二之湯:いや、福山も大きな街じゃないですか。
小林:そうですね、本当に。面白い街なんですよ。歴史も文化もあるし、上場企業も10社以上あったりとかですね。
何かあえて地元の人しか分からない楽しみ方あります?
二之湯:観光で京都というと、上京、中京、下京という本当の洛中のエリアと、東山、祇園のあたりですね。あと上賀茂神社、下鴨神社、鴨川のあたりが中心で、太秦は、住民しかなかなかいないところです。でもさっき話した秦氏がどれだけ力があったかというと、奈良の明日香村に石舞台古墳という古墳があって、ものすごい大きな石室があるんですよ、日本で3番目ぐらいだと思います。それは蘇我馬子やったと思うんですけど、それと同じぐらいの石室のある古墳が住宅地の中にぽつーんとあって、石室だけが。蛇塚古墳というので、ちょっと調べてください。本当に石室だけ。それ以外の周りの山とか丘はもう切り崩されて、石室の中の宝物なんかも全部盗掘されて、今、その石室が崩れないように、鉄骨とかで補強されている、そんなんですけど。
小林:ものすごい穴場スポットで、いきなりすごい石室が見れるという。
二之湯:はい。近所の人が鍵持っています。
小林:へえ、そういう管理の仕方なんですね。
二之湯:そういう感じです。
小林:それぐらい身近に古墳があるという。
そんな京都から、府議会や府でやってみてよかった政策、何かこれお勧めみたいなのが共有できたらいいなと思うんですけど、それぞれ教えていただきたいんですけど。
二之湯:私と四方源太郎さんの住んでいるところは全然状況ちゃうんですけど、私の住んでいる京都市は、いうたら都市部で、専門的に言うと政令指定都市なんで、政令指定都市における京都府の権限というのはすごく少ないんで、どんな仕事があるのかなということを、ずっと考えながらやっていきました。その中で、京都市に対するいろんな陳情とかもあって。そうすると京都市は、今、全国的にも財政危機だとかニュースになりましたけど、もう15年前から、金がないからできないということをずっと言われていたんですね。金がないんやったら節約したらいいじゃないかというようなことで、京都府と京都市がどっちもしている業務、行政事務があって、しかもそれ京都市内に拠点があるというものを、京都市会議員の仲間と一緒にいくつも統合していって。一番大きかったのは、水とか大気とか食品とか、微生物なんかの検査をする研究所が、京都市も京都府も持っていたんですけども、それを建て替えるというタイミングで、両方同じところに建てて、それによって建設費がそれぞれ十数億。あと、共用スぺースとか共有できる機材もたくさんあったので、それぞれの経費節減に非常に役立ったとか、夢があるかといったら、そうではないんですけども、できるだけ合理的、効率的な行政運営を進めようということで、京都市会議員と一緒に取り組んだということがありました。
大阪はそれが地道にできずに、大阪都構想。劇的な政治ドラマになってしまったんですけど、京都の場合は、自民党が主導して、議会からの提言で実現しました。その勉強会には四方さんにも入っていただいておりました。
小林:それいいですね。仲間と一緒に府県と市町村で連携して、一緒にやれるものは一緒にやろうぜと言われると、合理化した予算というのは別に使えるわけですから。これから行政改革というのはすごい重要なので、いい事業だなと思いました。
四方さん、何かありますか?
四方:以前から問題となっていたのは、面積が広くて、周辺部にお年寄りが住んで、バスなんかも1日何便かしかないような、それもバス停まで何キロもあるというような状況で、これをどうにかするということで、僕が議員になる前からなんですけど、24年前にNPO法人を、あやべ福祉フロンティアというのをつくって、今もずっと福祉輸送サービスという、高齢者や障害者をボランティアで運ぶサービスをやっていまして、今、85人ぐらいのボランティアが1,500人ぐらい会員がおられるんですよ。年会費2,000円。これ年間4万回ぐらいずっとこの二十何年間運んでいまして、もう断トツで日本一なんですよね。
今後は自動運転が進んでくれば、運転手の確保とか、もうちょっとやりやすくなるかなと思っていますが、そういうボランティアの人の力を使って、本当はだから行政サービスでやりたいわけですけど、小さなまちでお金もないし、例えば1人の人を月10万円で雇ったら、単純に85人が月に850万かかるんですよね。そんな金額出せへんし、車もかかるしとなってくると、みんな自家用車を持ち込んでほとんどやってもらっていますので、それで成り立っているという、そういうようなこと。僕はどっちかというと、民間の人たちの力をうまいこと活用して、行政サービスを新しくつくり上げていくことが得意というか、ずっと好きでやっていまして、これは府会議員になってからも、いろいろ新しい課題に対して、そういう力で何とかならんかなというような取り組みをさまざまやっています。
小林:それすごいいいですね。何かこれからの地域の課題解決には、行政の予算だけじゃできないものというのは本当に増えてきているので、必要なリソースを集めてきて、コーディネートして、もうプロジェクトで解決しちゃうというのは、すごいいいアプローチだと思うんですけど。
最初からNPOでやっていたじゃないですか。それを府議会議員という、地方議員になることで、もっとできるようになったこととか、新しく見えた景色ってあります?
四方:こういうことをもっと、市役所とか行政はやっぱり考えなあかんなということは思うようになってきました。自前で公務員がやっても、実際にはどれほど効果があるのかという、そこまで考えずにやっていることがたくさんあるので、行政サービスのつくり方がまた別の起点から見えてきたという感じはしますね。
それとまた、僕ら府会議員なので、京都府にはいろいろ話ができますけど、国の方ですね。結局いろんな規制緩和とか、僕らもこれやり始めるとき、国交省行っていろいろ言いましたけど、全然理解してもらえないし、そこのところの難しさというか、府会議員になると、どうやってこれを変えていくのかなということもまた考えるようにはなりましたね。
小林:地方議員の一つの魅力じゃないですかね。NPOの代表やりながら地方議員もやってとか、地方議員からNPOをつくったりとか。
四方:これからはやっぱり地方の一つの成功例を、やはり国全体で、うまくいったら真似していくというような形がよいと思います。もう国を変えるってほぼ不可能やと思うんですね。僕は地方を変えて、一つの成功例をつくり出せば、その成功例をみんながまねできる、こういうインスタライブのように発信が幾らでもできるので。昔ならもう新聞かテレビに取り上げてもらわんと、なかなか世界とか世の中に発信できんかったんが、今こうして自由に、こんなこともできるんやという時代になってきた。そういう地方の成功例をつくりたいなと思います。
小林:それいいですよね。やっぱり現場持っているからこそ、具体的な解決策が生み出せるし、それを全国に展開できるというのは。デジタルやテクノロジーがあるからできる時代だということだという。すごいいい話だなと思いますね。
四方:一回外してほしいですね。その地域がいいなら、その地域でとりあえずやってみたらいいやないかというふうに、国会議員の皆さんにはしていただきたいなと思います。
小林:一緒にやりましょう。
ちょっと未来の話を聞きたいと思います。
今度は四方さんから聞きたいと思いますが、いろいろこういう地域づくりを自らやってきた立場で、次はこういうことにチャレンジしたいってありますか?
四方:やっぱり僕らの地域はもう人口減少が激しいので、これどうやって若い人が地方に住んでもらうかを考えると、一番地方に欠けとるのは教育なんですよね。企業誘致は成功しとるんです、綾部市も。企業はたくさん来てくれるんですけど、ただ、単身赴任なんですよね。家族は、子供はどうしても都会に置いてこな仕方ないという、そういう状況があるので、それを何とかするために、今「論理エンジン」という教材を使って、出口汪さんという現代文のカリスマに、今ずっと来ていただいていて、都会の私学でやっている教育を公立でやりたいなと。それによって全国から綾部を教育移住というか、教育を目的にわざわざ来てくれるような、そういう若い人を集めるようなことをやっていきたいと思っています。
小林:いいですね。今、海士町(島根県)とか、まさに教育のために留学をする、そっちに移住するということありましたから、それを綾部でやると。
二之湯さんはいかがですか。
二之湯:私、小林さんと私の二之湯しんじチャンネルという、YouTubeでお話しさせていただいて、当時デジタル副大臣かつ規制改革副大臣で小林さんが担当していた、そのときに教えていただいたパークPFIですね。先ほどの嵯峨嵐山に府立の公園があるんですけども、そこが歴史的な名勝ということで、非常に扱いにくいとなっているんですが、管理費もなかなか出ずに、眺望が悪いと。ただ昔の公園図を見ると、茶屋で楽しんでいる人たちがすごくたくさんある。そういう絵がたくさんあるんですよ。なので、お茶屋とか飲食店をつくって、その利益で公園を昔のような眺望がよいすてきな公園にしたいです。
あとは私、地方議員であるあるですけど、小学校のPTA会長をこの3年やっているんですけど、コロナでやっぱり学校もデジタル化が進んだので、今、PTAもデジタル化をやっています。それでいろんな情報がちゃんと届くようになって、活動も活性化しつつあるので、私、地方議員ならではの地域密着ということで、地域社会のデジタル化ということも徐々に進めてやりたいなと。
恐らく地域にいろんな課題はありますけど、善意を持っている方たちはたくさんおられると。しかし、その課題の情報を、善意ある人に届ける手段が、従来の回覧板だとか、人と人のつながりの中での口コミ、そういうことに限られてしまったりとか、でも何か思っている人が、どこにどう問い合わせして、そういう地域貢献したり、そういう問い合わせ先も分からない。そういったことが、デジタルを活用することでうまくマッチングができて、地域社会が温かく住みよくなるんではないかなと、こういったこともやっていきたいなと思っています。
小林:いいですね。パークPFIはものすごい楽しみにしています。全国の皆さん、ちょっと検索してみると本当にいいんですけど、公園が民間の力でものすごくすてきなカフェができたりとか、シェアオフィスができたりとか、生まれ変わって、地域コミュニティがまた再生するんですね。そういうのが京都のど真ん中ででき上がってくると、また違う価値があるんじゃないかなと思いますし、やっぱりコミュニティの運営をデジタルでもっとみんなに情報共有できるようになるというのは、PTAもそうだし、さっきのボランティアとかNPOとかのやり方も変われる可能性があるんじゃないかなと思うので、ぜひちょっとアップデートした一例を、京都発で出していただいて、一緒に全国展開できたらなと思います。
最後お二人から一言ずついただいて締めたいと思います。
二之湯:青年局のデジタル化を進めたのは小林史明さんで、それによってこういうライブも行われて、事例共有がされて、視聴者のコメントにも、ぜひそれを教えてくださいと。四方さんのNPOやと思いますけどね。そういうのありました。いろんなことが生まれる可能性があると思いますので、こういった活動をこれからも続けていきたいなと思います。
小林:ありがとうございます。
では四方さん、お願いします。
四方:ありがとうございます。僕は小林さんは、一番最初に見たときからすごいイケメンやなと思ってきまして(笑)、でもだんだんまた、あの頃幼かったですけど、いろいろ大臣とか経験されて、いや、いい顔になってきたなと、今日もまた改めて思いました。このいい顔のままで、いい政治家にまたさらに成長してください。僕も地方で頑張りますので、よろしくお願いします。
小林:ありがとうございます。私に激励をもらっちゃいました。
本当にありがとうございました。2人の話を聞いていると、やっぱり地方議会議員って面白いよねと思ってもらえるんじゃないかなと思っていて、これがどんどん広がっていくと、全国から同じように地域課題を自分で動きながら解決したいとか、デジタル使ったらもっとうまくいくんじゃないか。民間の力をもっと生かせるんじゃないか。二之湯さんがやったようにもっと無駄がなくせるんじゃないか、そんなプロジェクトがたくさん立ち上がってきて、地方から日本を変えられると思うので、今日見ていただいた皆さん、ぜひ二之湯さんと四方さん、アカウントフォローしてもらって、活動もチェックしてもらえたらうれしいです。
今日は青年局の仲間といい話ができて、私もすごいうれしかったです。今日はありがとうございました。
最後までありがとうございました。「ぜひこの3人でまたライブしてほしいです」というコメント、ありがとうございます。「勉強になりました」ということで、深谷(晃祐)さんね、多賀城市長じゃないですか。また登場してください。よろしくお願いします。
次は北海道編でいきたいと思います。スペシャルゲストも登場しますので、楽しみにしてください。
またお会いしましょう。
<第20回統一地方選挙>
京都府議会議員選挙は、3月31日告示、4月9日投開票です。
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