Blog ブログ

補正予算案が衆議院で可決。物価高への対策、賃上げの促進、新たな成長への投資や支援に対応。

今年もあと40日余りとなりました。


本日開催された衆議院本会議で、今年度の補正予算案の採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会、国民民主党の賛成多数で可決されました。一般会計の総額が13兆1992億円となるこの補正予算は、今年度残り4ヶ月で施行される政策のベースとなるもので、主に、物価高への対応、賃上げの促進、将来に向けた成長投資に対応します。


バブル崩壊後の30年間、日本企業、特に大企業は、短期的な業績改善を優先して値下げをし、利益を確保するためにコストカットを進めてきた傾向が強く見られます。賃金を含めた人への投資や取引先企業の納入価格、未来の成長につながる設備投資や研究開発投資もそのコストカットの対象となり、物価が下がり続け、売れてもお店や企業が儲からず、儲かっても先行き不安で会社にためておいたり、働く人の給料が上がらないのが課題でした。これが「長年のデフレ」と言われるものです。


折しも、コロナ禍明けと長引くウクライナ情勢の影響により、世界的な物価高と経済の急な好転による人手不足で、経済と私たちの暮らしが疲弊しています。岸田政権では、賃上げの促進と官民連携による投資促進に全力を挙げており、経営者の皆さんの尽力もあり、本年の賃上げは30年ぶりの高水準、国内投資も100兆円を超え過去最高を記録し、株価も30年ぶりの高水準となるなど、良い兆候が見られます。


このまま、適切な物価の上昇から、お店や企業の利益が増え、働く人の手取りが増え、個人の消費が増えることで、お店や企業が更に投資をするという、成長投資と所得上昇の好循環へ日本の経済構造を変えていこうというのが、今回の予算のポイントです。


多くの中小・零細企業では、材料費やエネルギー、労務費の転嫁が難しく、まだまだ賃上げをする余裕がないなど、物価上昇に所得上昇が追いついていないため、生活の面では今が一番が辛い時ですが、来春から来夏にかけて、政府では更なる本格的な所得向上対策に取り組もうとしています。


来年の春闘に向け、経済界に対して、今年を上回る水準の賃上げを働きかけるとともに、労働者の7割が中小企業で働いていることを踏まえ、赤字法人が多い中小企業や医療法人なども活用できるよう、賃上げ税制を拡充していきます。


特に、価格転嫁対策の強化、労務費の転嫁ルールを示し、実行を強く働きかけるなど取引適正化をより一層進め、賃上げの原資を生み出すなど、中小企業の賃上げを全力で応援していきます。


併せて、投資促進をさらに強化し、国全体の「稼ぐ力」を強くしていきます。これまで赤字で税制を活用できなかった中小企業にも使いやすい形で、賃上げ促進税制を整備し、最も重要な「人への投資」を拡大します。


また、半導体、蓄電池、電気自動車などの戦略分野で投資減税や補助制度を講じるとともに、土地利用の規制緩和を実施し、全国で大型投資を呼び込みます。中小企業の省エネ・省力化投資も強化し、小売、飲食、宿泊業からものづくりまで、人手不足に対応するメニューをカタログから選択し、現場の企業に使いやすい形で支援します。


2024年問題に直面する物流投資、暮らしのGX (グリーン・トランスフォーメーション)、特にヒートポンプ設置、断熱窓への改築、電気自動車の購入補助など、光熱費を削減し、産業のGXと快適な暮らしを同時に応援します。


個人への支援については、電気・ガス・ガソリン価格支援の延長に加え、賃金による可処分所得が物価を超えて伸びていく状況を確実なものとするべく、来年の6月のボーナスのタイミングで、本人・扶養家族を問わず、 1人当たり計4万円、約9000万人を対象に、所得税・住民税の定額減税を実施します。 本人・扶養家族を問わず、1人ずつ減税を行うことで、子供2人の子育て世帯では計16万円の減税となるなど、過去に例のない子育て支援型の減税を行います。


生活の状況別の対策も予定しています。


現在の物価高で生活に苦しんでいる世帯に対し、1世帯7万円をできる限り迅速に支給することで、生活を支援します。子育て世帯には、更に配慮します。


また、非課税世帯より所得が少し高い方々については、納税額が少ないため、結果的に、減税のメリットが他の方々と比べて少なくなることがあります。非課税世帯でないために低所得者支援の対象からも外れるため、きめ細かな対応が必要であることを認識しています。減税や給付等に見合った支援を具体的に議論していきます。


106万円、130万円の「年収の壁」については、就労時間を気にすることなく働いて、希望する所得を得られるよう、支援をスタートしています。世帯年収全体が上がり、可処分所得が向上するよう、支援していきます。

※支援制度はこちら


36項目に及ぶ規制・制度改革を始め、予算、税、制度をきめ細やかに改革して、財政の健全化も同時に図ります。


施策の詳細については、皆さんの声を聞きながら、党で議論を深め、準備を進めています。衆議院議員は「代議士」と呼ばれ、有権者の代わりに制度や予算の議論を行なうのが仕事です。自民党の議員の議論は、地元で皆さんから聞いた声をベースに行われます。週末には地元に帰り、様々な場所へ伺っていますので、ぜひ声をかけて話をしてみてください。