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5GとAIで課題解決先進国に! 政策の先に見据える将来像を共有することの大切さ


世界デジタルサミット2018基調報告 (C)日本経済新聞社

昨年8月に総務省大臣政務官を拝命してから早いもので10か月が経とうとしています。

マイナンバーシステムの利便性向上」、「携帯電話市場のフェアな競争環境づくり」、「IoTによる地域課題解決」、「これからの情報環境の進化に合わせた電波制度改革」など、さまざまなプロジェクトに取り組ませていただいています。

 

一方で、これらのプロジェクトや政策は、私の信条である「テクノロジーの社会実装でフェアな社会を創る」というアクションそのものにも関わらず、その先にどんな未来を実現しようとしているものなのか、その将来像を十分に共有できているのかどうか、不安に思うことがあります。どんな優れた政策も、皆さんにその意図が伝わり、一緒に実現していこうと思っていただかなければ、政治の独りよがりになってしまうからです。

 

現状の政治や行政、そして私自身に自戒を込めて「将来像を共有する」ということに課題を感じていた折、ありがたいことに、先日6月5日に政務官として、「世界デジタルサミット2018」における基調報告の機会をいただきました。このイベントは、総務省と日本経済新聞の主催で、5GやAIなどのイノベーションについて国内外のICT分野を牽引している皆さんが集い、議論しました。

 

私の基調報告では、総務省が取り組んでいる「AIネットワーク」や「未来をつかむTECH戦略」などの施策を共有しました。詳細は冒頭の動画でご覧いただけます。まずは私が注力している、5GとAIの分野において、政治の側がどんな思いで各施策を打ち、その先にどんな日本社会を描いて皆さんと一緒に未来を作っていきたいのか、思いを共有したい一心でした。会場では以下のようなことをお話ししました。

 

人口減少、高齢化などの直近の課題にAIをどう活用していくか

日本は確かにアジア諸国より20年早いスピードで高齢化や人口減少に直面していて、なにかと先行きが悲観されがちです。また、AIというと思考プロセスのブラックボックス化などへの懸念があります。しかし、ロボットが進化・普及すれば、建設業界の人手不足を補うことができます。災害復旧現場でロボットを使えば、人が入れない場所での作業もできるようになります。

 

5Gの実装

そのAIを動かしていく上で「ゲームチェンジ」と言えるのが5Gの実装です。現在の4Gの10倍となる速度も強みですが、それ以上に大量のデータを遅延せずにやり取りできることが大きなポイントです。IoTが普及すれば、前述の建設機器のように必要最小限の人員で、東京にいながら地方で同時に運用することもできます。8Kの高画質の映像を伝送できるようになるので、医師が遠隔で過疎地の患者を診ることもできるようになります。

 

日本の優位性

世界で5Gがスタートしようとする中で、人口カバー率で99.8%、世帯整備率で99.0%という、すでに圧倒的なネットワーク環境が基盤にあるという点で、日本は非常に優位にあります。5Gへの切り替えが着実に進めば、日本は課題先進国ではありますが、テクノロジーで持続可能な発展に貢献できる先例になるチャンスが大いにあります。

 

改めて皆さんにお伝えしたいのは、政治や行政だけではこの国はもちろん、世界の課題は解決するのは難しいということです。テクノロジーを信じて活かし、“ICT”(Inclusive=誰もが豊かな人生を享受できる社会、Connected=コンパクト化とネットワーク化で人口減少でも新たな絆が創出される社会、Transform=技術革新を前提に柔軟に変容が可能な社会)を実現する — それには、主体性、多様性、協同性を尊重し、みなさんと将来像を共有し、納得と共感のもと、ともに前へ進むことが大切です。これからもそうした思いを持ち続け、皆さんに伝えて行く努力をしていきます。

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@kobayashifumiaki

 

■お知らせ

私たち若手議員の取組みを描いた本が出版されました。一昨年の年末、高齢者への3万円の給付に私や小泉議員が異論を唱えたところからスタートし、 高木 新平 (Takagi Shimpei) 君に手伝ってもらった「レールからの解放」・「厚労省分割案」・「人生100年時代の社会保障へ」、そして「こども保険」構想へとつながっていった500日。同世代の民間有識者の同志と2020年以降の未来を見据えて議論したいという想いでサポートをお願いし、最後まで粘り強く伴走してくれたRCF 藤沢 烈 (Retz Fujisawa)さんの著書です。

普段テレビや新聞で報道されない、議員の政策立案過程のリアルな姿が見て取れる貴重な本だと思います。ぜひ読んで見てください。

 

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