人生100年時代に求められる働き方
広島県福山市の、県外の民間人を「副業」人材として市民と共業していただく取り組みが、成果を出し始め、評価されています。
日本経済新聞 福山市「副業」人材、アイデア続々(中四国ウエーブ)
人口減対策の見直しや集客策で、従来、市になかった手法で、福山の行政に活気を生み出していただいていると同時に、参画してくださっている方にとっても、新しい働き方、次の時代の生き方を実現する場になっています。
自民党議員で構成する「2020年以降の経済社会構想会議」で始めた「人生100年時代」の議論のポイントは、人口減少・人生100年時代の到来・テクノロジーの圧倒的な進展という、日本における避けられない社会変化を構造改革のチャンスと捉え、変化に対応した制度整備を行うこと。そして、ひとりひとりが人生100年を前提に生き方をデザインし直すことが重要です。
今日は @AdobeExpCloudJP のイベント #AdobeSymp にこの3名でパネルに登壇。テーマは働き方デザイン pic.twitter.com/FXJEzLiSah
— 小林史明(衆議院議員) (@kb2474) 2018年9月4日
少し前になりますが、「Adobe Symposium 2018」では、株式会社ワーク・ライフバランスの代表取締役である小室淑恵さんと評論家の山田五郎さんと一緒にパネルディスカッションに参加しました。
未来の働き方はどうなる? 衆議院議員 小林史明氏 X 評論家 山田五郎氏 X ワーク・ライフバランス 小室淑恵氏が語る”人生100年時代”に求められる働き方とは #AdobeDocCloud
大学の先輩でもある山田さんの話で面白かったのは、週刊誌の表紙のデザインを引き合いに、長期的に売れている雑誌の表紙はイラストと雑誌のタイトルだけで、そうでない雑誌の表紙は文字がギュウギュウに詰め込まれていると。詰め込み過ぎるとデザインができない、現在の働き方と同じと指摘されました。
そして、本来は無駄な仕事を減らすITツールによって、要らないメールが増えたり、チェックしなければいけないものがどんどん増えて、逆に仕事を増やしている。念のため、紙でも、と。思い当たりますね。「どう働くかではなく、いかに仕事を休みつつ、無駄な仕事をやらないようにしていく方が、働き方改革は早く浸透するのではないか」という指摘には深くうなづきたくなりました。
小室さんの話でいつも参考になるのは、内容はもちろん、そのアプローチの仕方です。働き方改革の必要性を経営者や管理職の方に伝える際に、1990年代は「人口ボーナス期」であったことから、長時間労働で成果を出しやすかった。しかし、人口減少をしていく「人口オーナス期」を迎えた昨今では、大きく社会環境が変わっているため、人口ボーナス期とは仕事のやり方を変える必要があるのだ、というように、本人を否定することなく、環境変化を理由に経営方針の転換を促されています。
「ご自身の若かった時代の成功経験を引きずらないで、いかに人口オーナス期に対応した経営ができるかを考える必要がある」と。
これまで国の政策は多くの人が所属する企業さえ支援すれば個人も幸せになるだろうという”組織起点”の考え方が中心だったように思います。現在はデジタル社会となり、ひとりひとりの状態が見えるようになったので”ヒト起点”で課題を捉え、丁寧な政策を実行できるようになりました。
未来の働き方を皆さんが自身でデザインしていけるよう、テクノロジーを徹底的に活用しながら、人々の立ちはだかっている壁を取り払っていきたいと思います。
■お知らせ
私たち若手議員の取組みを描いた本が出版されました。一昨年の年末、高齢者への3万円の給付に私や小泉議員が異論を唱えたところからスタートし、 高木 新平 (Takagi Shimpei) 君に手伝ってもらった「レールからの解放」・「厚労省分割案」・「人生100年時代の社会保障へ」、そして「こども保険」構想へとつながっていった500日。同世代の民間有識者の同志と2020年以降の未来を見据えて議論したいという想いでサポートをお願いし、最後まで粘り強く伴走してくれたRCF 藤沢 烈 (Retz Fujisawa)さんの著書です。
普段テレビや新聞で報道されない、議員の政策立案過程のリアルな姿が見て取れる貴重な本だと思います。ぜひ読んで見てください。