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平成最後の3.11 —今後の防災を考える

東日本大震災から今日で8年が経ちました。平成としてこの日を迎えるのは最後となりますが、全国民が体験した衝撃は、これからも忘れることはないでしょう。そしてこの震災の復興を待たずして次々と襲ってくる自然災害はこの国にとって逃れることのできないリスクで、過去から学び、未来に生かしていくしかありません。

先月、自民党青年局の被災地訪問事業「TEAM-11」で宮城県仙台市・利府町を訪問したとき、地元の皆さんが力強く新しいことに取り組んでいる姿に感銘を受けました。東北大学青葉山新キャンパスでは産学共同研究で最先端の半導体研究や災害対応用ロボットの開発を積極的に行っており、そのキャンパスには世界から学生が訪れ、生き生きと学んでいる姿がありました。

利府町では、青年局の先輩であり、元参議院議員でもある熊谷利府町長から、被災後修復された総合競技場を中心とした新たなまちづくりプランを聞いたり、震災以来久しぶりに復活した浜祭りの会場の多くの方が笑顔あふれる姿を拝見し、頼もしく感じました。

昨年は自然災害が全国的に多く、私自身も、地元・福山が西日本豪雨で被災したこととも含め、防災について、深く考えました。自然災害は防ぎようがないのであれば、日頃からの防災に務め、2次被害を最小限にする道を探るしかありません。

今後の防災と復興を考えるにあたり、最優先事項の一つは行政のデジタル化と社会システムの標準化だと考えています。この件は先日の予算委員会分科会でも質問に立ち、総務大臣と意見を交換しました。

もう少し詳細を共有すると、まず、行政や医療機関の書類が紙で保存されている限り、その拠点が被災したら地域の方の情報も失われます。また、仮に残ったとしても、すぐに使える状態のことは稀です。たとえば、現状、被災によりカルテ情報が失われた場合、避難所等で列を作って、一人一人、病気の状況や治療履歴などを確認する必要があります。本来であれば、行政や医療機関の基本的な業務は共通ですから、全国で同じクラウドサービスを活用する、もしくは互換性を確保することで、自治体を超えて、どの避難所に行こうともすぐに自身の履歴を共有し、必要な治療や投薬を受けることが可能です。

また、災害時の行政同士の支援体制にも課題があります。実際に被災した場合、被災自治体の職員が地元住民を支援するのですが、自治体の職員も被災者であり、被災者が被災者を支援する構造は、大規模災害において無理があります。東日本大震災でもご自身やご家族のことを後回しに、地域の被災者の為に尽力する自治体職員の方の姿が何度も報道されました。

頻発する災害の経験をもとに、この自治体が被災したときはこの自治体が応援に行く、という対向支援というプログラムができ、最近の災害ではそのパートナーシップが発揮されています。今後は様々な業務を担える支援チームとして派遣するよう拡充するとともに、被災自治体を地元職員に代わってマネジメントできる人材を多く育成することが必要です。

さらに、民間による支援の受け入れ体制についても整える必要があります。避難所に善意で届けられる様々な支援も、どのように受け入れて良いかわからない、という理由で断ってしまう場合があるなど、サポートの善意がなかなか噛み合わず、初動が遅れがちです。これは、避難所の運営訓練が統一的に実施されていないなど、自治体ごとに災害対応に対する経験値にばらつきがあることに起因しています。

災害は誰にとっても突然であり、多くのケースが初めての経験となるため、被害に遭ってから急に対応できるものではありません。また、自然災害はもはやその該当地域だけの問題ではなく、これだけ人の往来や物流が活発な現代、常に日本全国に影響があるのです。どの地域が被災しても国全体で助けられるように、準備と情報共有の仕組みが必要です。

これら標準化については、この国をどこよりも安心して暮らせる国にするために政治生命を賭してやるつもりです。今後3.11はその進捗を自らに問うていく日になります。

本日午後2時30分頃から政府による「東日本大震災八周年追悼式」が開催され、午後2時46分から1分間の黙とうが行われます。震災により犠牲となられた全ての方々に対し哀悼の意を表すべく、このブログを読んでくださる皆様ともご一緒できればと思います。

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