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5G、IoT、ロボット、AI… テクノロジーが実現する未来の医療現場

今年の秋から試験提供が予定されている5G は、3Gや4Gを発展させた「超高速大容量」というだけでなく、「超多数接続」、「超低遅延」と新しい特徴を持つ次世代の移動通信システムで、本格的なIoT時代のインフラとしての早期実現と、それらを活用した地域課題の解決が期待されています。5Gの実装で期待される分野のひとつが医療です。2017年に閣議決定した未来投資戦略で、遠隔診療と対面診療との組み合わせで、診療報酬の評価対象とすることになっています。

医療サービスの充実に期待が高まる一方、度々報道があるように、医療現場の負担軽減のためにも、IoT・ロボット・AIなどテクノロジーの積極的な実装が必須です。そのためにも、自宅と病院間での遠隔診療だけでなく、手術室など医療の現場にも優れた通信環境とテクノロジーを導入しやすい制度設計が必要だと考えています。

先月から「優れた医療機器を国民に迅速かつ安全に届けるための議員連盟」の事務局長に就任し、現在医療分野へのテクノロジー実装に取り組んでいるのですが、昨年訪れたCEATECで見て以来、ずっと気になっていた東京女子医科大「スマート治療室」、通称SCOT(スコット) の最上位モデルが臨床研究を開始するとのことで、視察してきました。

手術室に入ると、ロボティック手術台や4K3D顕微鏡が並び、画面には、ほぼ全ての機器をネットワークで接続することで、一元的に情報を確認することができるようになっていました。

現状の医療現場では、多種多様な医療機器・設備から発生する膨大な情報を各機器の表示を個別に確認しながら治療を行うので、医療現場の負担が非常に大きいのですが、このスマート治療室では、各種医療機器を全てネットワークに接続し、専用ソフトウェアであるSCOTで情報を統合することで、手術の進行や患者さんの状況を一元的に把握することにより、手術の精度と安全性を向上させ、現場の負担も軽減できることが期待されています。

これは現場の医師やスタッフが情報を確認しやすくなるだけでなく、離れた場所から手術情報を確認しながら指示を出すことも可能になるのです。説明いただいた方の言葉を借りれば、さながら宇宙飛行士と指令本部のように、互いに情報を補いながら患者に向き合うことができ、5Gを活用すれば、ベテラン医師が車で移動しながら手術現場に指示を出すことも可能になるということでした。


医療だけでなくどの現場でも、これまでデータはビックデータにすることを前提に収集されていないので、集めたデータを”データ化すること”でつまずいてしまい、解析と活用まで辿りつけないことが多いのが現実です。今回印象的だったのは、手術時のデータを「時系列の治療記録」として収集し、どのような処置をしたら心拍数や血圧が変化したか、後からも簡単に確認することができるようになっています。その結果、他の医師が学ぶ際にも効率的になるとともに、何か事故があった際にも検証が可能になります。将来的にはビッグデータとして解析も可能で、医療機器の保守・管理の面でも大きなメリットをもたらします。

現在、このSCOTを中心としたスマート手術室は脳神経外科手術のみで活用されていますが、将来的にはあらゆる分野の手術への活用が検討されています。実際に導入する場合、SCOTのサーバー設置と、各医療機器のネットワーク接続環境の整備ができれば対応ができるため、既存の手術室を大きく変えることなく、アップデートすることが可能なため、海外展開が実現できれば、手術情報を一元的に管理する世界的なプラットフォームへと成長させることができる可能性があります。

これは、日本の医療保険制度によるもので、各医療行為ごとに医療機関に対する報酬の価格が決まっています。その結果、報酬のつく行為に関わる機器については一定の市場が見込まれることから、民間企業による機器開発が進む一方、報酬がついていない分野については、市場が予測できないこともあり、開発が進みづらい傾向があります。

ここは政治のリーダーシップが問われるところだと考えており、国内の医療の質向上だけでなく、新たな成長産業として可能性が秘められている医療機器やソフトウェアについて、積極的に後押しできる制度を議員連盟から提言していきたいと考えています。

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