2013年9月30日自民党情報通信戦略調査会 韓国電子行政視察
落ち着いてパソコンに向き合う時間がなく、ご報告できていませんでしたが、
先日、9/30-10/2まで情報通信戦略調査会の事務局次長として、
韓国の電子行政視察のため韓国を訪問していました。
※NHKでとりあげていただいてたようです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131001/k10014945771000.html
※現在、岩手に向かう東北新幹線内で書いています。
この時期に韓国を訪問するのか!?という意見もあるかもしれません。
竹島、海産物の輸入禁止などの対応については厳しい対応すべきというのは大前提ですが、
皆さんの生活向上と日本発展のためには、学ぶべきことは吸収すべきと考えます。
今回の目的は、日本の行政を電子化することで効率化(費用削減・行政の稼働削減)と
サービス向上(皆さんの手間を省く・各個人へのプッシュ型サービスの実現)を
実現するために、世界的にも進んでいる韓国を参考にするためでした。
行政の電子化を進めるうえで、大きくわけると二つの議題があると考えています。
一つは行政機関内での情報共有。二つ目は各行政、自治体のシステム統一です。
①行政機関内での情報共有
現在日本では、各種申請を役所でするにあたって、様々な部署や機関を訪問し、
書類を受け取り、再度、窓口に提出する必要があり、時間と手間がかかります。
※韓国では電子化前の書類申請の煩雑さから、GDPの0.5%を浪費していると試算したそうです。
本来、同じ日本国内の行政機関なのですから、一つの窓口に申請した場合、
あとは組織内で情報のやりとりを実施してもらえれば完了するはずです。
こういった不便を解消するとともに誤申請や不正をなくすべく、
前国会でいわゆるマイナンバー法案が成立しました。
が、まだまだ本来の目的を実現するには活用範囲も限定されている状況で、
まずは社会保障や納税の分野から開始されます。
※プライバシーの保護について懸念の意見があり、成立まで長い年数がかかりました。
活用範囲についても同様の意見で最低限のものとなっているのが現状です。
韓国でも課題となっており、
日本で実施する際にはより厳重な対策を行うことが大前提となります。
※利用イメージ
※実施スケジュール
一方、韓国では当初から金融機関とも連携しており、
すでに135の項目が各機関で共有されているとのこと。
※その背景には電子化政府法というものがあり、下記のように行政に指示しています。
【行政機関は特別な理由がある場合を除き、行政機関の間で電子的に
確認できる事項を国民に証明書などを提出させてはならない
行政機関は保有している行政情報を要するほかの行政機関と共同利用しなければ
ならないし、他の行政機関から信頼しうる行政情報を受け取ることができる場合には
等しい内容の情報を別に収集してはならない】
要は、国民に不必要な書類提出をさせてはならない!と法律で制定しているのです。
これは、非常に利用者目線の法律だと感じます。
結果、パスポート申請はその場で申請用紙一枚で完了し、
1~2日で発行。金融機関での融資については即時で対応できる状況です。
日本の物流企業の方と帰国後意見交換をしましたが、
輸出入の申請も格段に簡素だそうで、個人だけでなくビジネスでも効率化が図られています。
どれも日本政府が長年描いてきた構想なのですが、残念ながら大分遅れをとっています。
要因は、政権が不安定でリーダーシップが発揮されず、後回しになりつづけたことでしょう。
皆さんに十分な説明をし、理解をいただいたうえで進めていきたいと思います。
②各行政、自治体のシステム統一
こちらはまた別でかかせていただきます。