グリーン購入法で掴む新たな成長の機会
今回は皆さんのビジネスに関わる環境省の政策を共有します。
皆さん、グリーン購入法はご存じでしょうか。
これは私が副大臣を務める環境省が所管する法律で、循環型社会の形成のため、省庁などの政府組織が物品やサービスを調達する際に、環境に優しいものを優先的に購入することで、需要を作り、持続的発展が可能な社会の構築を目指す法律です。そしてこの法律では国の各機関の取組に関することのほか、地方公共団体や事業者、国民の責務などについても定めています。
このグリーン購入法については、先日私のYouTubeの政策共有チャンネルでもお話しさせていただきましたので、こちらも是非ご覧ください。

グリーン購入法の環境負荷の低減に資する調達の基本的考え方としては以下の3点が掲げられます。
1.環境負荷の少ない物品等及び環境負荷低減に努めている事業者の選択
価格や品質などに加え、できるだけ環境負荷の少ない製品やサービスをを積極的に調達します。そして、調達の際にはその製品の環境負荷だけでなく、設計・製造、販売などを行っている事業者による環境マネジメントや情報公開等の取組も配慮します。
2.ライフサイクル全体を考慮した物品等の調達
調達の際は、資源採取から廃棄に至る、ライフサイクル全体の環境負荷の低減を考慮する必要があります。大気汚染など、地域特有の環境問題を抱えている場合は、それに応じた環境負荷項目に重点を置いて、物品を調達することが重要です。
3.最優先されるべきはリデュース
環境物品等の調達推進を理由に調達総量が増加しないように、調達量自体の抑制(リデュース)に配慮します。調達した環境物品等の長期的かつ適正な使用や分別廃棄に留意し、環境負荷が着実に低減されることが重要です。
そして先日、製品を製造し、販売する皆さんにも大きなインパクトを与えるグリーン購入法の基本指針の見直しが行われました。

これまでもグリーン購入法には上の図のように基準1と基準2がありました。
基準2というのは最低限この環境基準をクリアしないと調達しないという基準です。
今回その上の基準1を明確化したのですが、より高い環境基準を満たしている製品やサービスであれば、多少値段が高くてもそれを優先的に調達しようというのが新たな基準です。
例えばスタートアップや中小企業が新しい技術で開発した製品やサービス。大企業がGXをする時に環境に配慮して製品の作り方を大きく変えた。この様な場合どうしてもコストが大きくなりがちですが、値段が高くてもこの基準を満たした製品を、積極的に調達しようというのが新しい基準になります。
国が率先して調達し、量産化が進むことで市場での値段が安くなり、多くの人がその製品を選び、社会全体に環境に配慮した製品が広がる様になります。そして、この新しい基準の念頭には新しい技術を日本だけでなく世界中に展開できるようにしたいということがあります。
具体的にこの法律で調達の対象としている製品は、文具や家電製品、災害備蓄品など22分野288品目にわたっています。皆さんが係わっている製品も数多く並んでいると思いますので、是非、環境省のホームページをご覧いただけたらと思います。今後も品目を追加しながら様々な基準も更新していく予定です。
具体的にどの様に自社の製品やサービスを追加できるかは、年に一度4〜5月頃に新しい調達の方針策定のために製品の性能を提案募集する機会があります。これは国、省庁の調達だけでなく独立行政法人や大学、医療機関、自治体なども対象になっているので、環境に貢献できる技術を持っている皆さんは是非この機会に提案をしてみてください。
日本には優れた環境技術を持った企業が数多くあります。その企業の生み出す製品やサービスを国や政府が率先して調達し、日本や海外で展開されるように後押しをしていく。環境への配慮や省エネ、健康に良いなどといった付加価値は、これからの日本の競争力となります。その様な製品やサービスは世界で評価され、選択されるようになっていきます。そのために皆さんの製品を海外の新しいお客様に届け、今まで以上に高い価格で販売できるよう、展示会への出店や認証取得など国による輸出のサポートも始めています。
引き続き様々な政策で皆さんが新たな成長の機会を手にすることが出来るよう、全力で取り組んでいきます。