平成を振り返る:日本記者クラブ会見
先週の金曜日、日本記者クラブの招待で会見に登壇しました。テーマは、「平成とは何だったのか。平成政治、そして国会改革」で、平成時代に当選した4人の自民党衆院議員— 福田達夫議員、小泉進次郎議員、村井英樹議員と私で、それぞれ注力分野で平成を振り返り、2020年以降の経済社会構想会議に発した国会改革についても思いを共有しました。
これだけ大掛かりな記者会見は初めて、かつ伝統ある記者クラブということで、さすがに緊張していましたが、司会を務められた毎日新聞社の倉重編集委員が、最初に私たち4人を紹介するときに、「私の隣から、小泉純一郎さんです」と素で間違えられて大笑い、会場も一気に和みました。
トップバッターの小泉さんは、平成を「国民の力とリーダーの力が響き合った時代」と総括。ちょうど先週発表された妊婦加算凍結の検討も国民の声が政治に届き、行政が動いた好例として紹介し、国民の声は政治に届く、それに響いてリーダーや行政が動いて、国はよくなるということを皆さんに知ってほしいと話しました。
続いて村井さんは、「平成は消費税の時代」として、財政が消費税に翻弄されてきたという現状を共有し、ポスト平成は消費税一本足打法の政策から脱却し、人々の行動変容による前向きな財政改革を行いたい、とビジョンを示しました。
福田さんは平成を「混沌と混乱の時代」と総括。前半を「昭和に戻りたかった」15年で、後半をどうもあの時代には戻れないようだと認識し、その覚悟をしつつあると提起しました。
私は「平成はインターネット文明の開花」と総括し、インターネットやテクノロジーの恩恵や今後の課題、ビジョンを話しました。
私たちが手元でインターネットを使えるようになったのは、平成元年、インターネットで世界中の情報にアクセスできるようになり、写真はデジタルで送れるようになりました。その後、テクノロジーがものすごい勢いで進化し、最近では米中「テクノロジー冷戦」に発展しています。
平成の政治は、そのテクノロジーの進展とそれに伴う人々の生活の変化に、政策決定が追いついて行けませんでした。その顕著な例が、電波、通信、放送、水産のエリアであり、地方分権神話による社会システムの分断です。それらのエリアについて平成のうちに行われた改革や政策施行について私の活動を中心に振り返り、将来のビジョンを共有しました。
簡単にまとめると;
- 情報を届けるインフラである電波は、国の貴重な資源であり、国民の共有財産であるので、有効に活用する改革に取り組んでいくこと。
- 放送は「広くあまねく情報を届ける」社会装着であり、社会の安定に必要であること。インターネット社会が広がり個人化が進む今こそ、放送の役割を見直し、NHKとBS放送を手始めに改革を進めて行くこと。
- 魚探や船などのテクノロジーの進展に政策を追いつかせ、獲る漁業から育てる漁業へ転換し、漁業者の所得向上と安定化を実現することで、全国の海辺の暮らしを持続可能にしていくこと。養殖業を成長産業へ転換し日本の稼ぎ頭にすること。
- 中央集権と地方分権という2項対立の考えではなく、国のリーダーシップにより社会システムを標準化することで、デジタル化を一気に加速すること。
- データ駆動社会の基礎を作り、今後の日本の世界戦略を見据え、行政・企業・個人が信頼ある社会システムの元で自由にデータを流通できる社会を構築していくこと。
質疑応答も行われ、その中で私も国会改革に関する質疑に対応する機会がありました。「平成のうちに」実現すべき3つの改革 (1: 党首討論**の定例化・夜間開催、2: 衆議院におけるタブレット端末の導入・活用など、IT 化の推進、3: 女性議員が妊娠・出産時等の場合の代理投票)は、小さな話で、もっと大きな所に着手すべきではないのか、という質問に対し、小泉さんが「その小さなこともできなかったのが国会改革の現実なんです」と国会改革の難しさを説明しました。それを補足する形で私からも国会改革提言の背景を説明しました。
- 世界情勢の大きな変化により、日本も強いリーダーシップが必要であること。
- 平成で様々な改革が行われ、小選挙区制に変わり、総理はリーダーシップを発揮しやすくなり、業界団体、行政、族議員というそれまでの鉄のトライアングルを打破する改革をしやすい環境になった。それによって総理のリーダーシップが強くなったことはよいこと。
- 一方で、その改革に取り残された国会は本来、官邸、行政を監視する役割でもあり、その機能をしっかり担保して、国民から信頼される政治、行政が実現すべき。
- その小さい3つはあくまでも入口で、国会改革はできない、という意識をまずは変える。
多くの記者の皆さんに活動やビジョンを共有でき、大変ありがたい機会となったことはもちろん、平成を改めて振り返るよい機会となりました。まだ少し残る平成のうちにできる限りの改革を押し進めるべく、気を抜かずに走って行きたいと思います。
日本記者クラブのHPで動画が公開されています。また、地元の中国新聞でも記事になりましたので、併せてご覧ください。
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地域課題解決に取り組む際の政治・行政・住民のパートナーシップを、陳情型の昭和フォーマットからポスト平成時代を見据えた共同解決型の”福山フォーマット”へ転換したいと考え、日頃から地域活動に取り組んでいます。具体的に結果を出すことができた事例をブログに書きました https://t.co/FhTf2Z6Wtw
— 小林史明(衆議院議員/広島7区/福山市) (@kb2474) 2018年11月25日