Blog ブログ

39歳になりました

政治家としては4期10年目。ここ数年は自分の年齢を気にすることもなくなりましたが、一方で、中堅としての成果進捗を常に示せるよう、焦燥感と緊張感が高まっています。

初当選以来感じている、「早く変えなければこの国には時間がない」という思いは、コロナ禍で一層強くなりました。同時に、注力してきた規制改革は、この1年で一定の方法論を確立できたようにも思います。

遡ること約2年前、新型コロナ感染拡大の勢いが増し、各自治体が10万円給付で大混乱に陥っていたことは記憶されている方も多いと思います。平時は平穏にオペレーションされながらも有事に弱い行政をどうすべきか。私なりの答えがデジタル庁創設でした。

国家的または広域的有事に、自治体ごとにアナログ対応する景色は、2018年西日本豪雨の災害対応でも目の当たりにしていました。自治体ごとにバラバラに調達整備されたシステムを、それぞれのルールで運用しており、手続きはアナログかつ煩雑で、必要な人に必要なタイミングで支援を届けられませんでした。地方自治体の情報システムを標準化・共通化し、有事の際には自治体ごとの運用でなく、自治体が住民一人一人の状況にあったサポートをプッシュで提供できるよう、国が体制を整える。社会システムをデジタル化する。そのためには行政のデジタル化を担う専門組織が必要だと提案してきました。

そして、昨年の今頃、先んじてそれを具現化する機会が訪れました。国民のワクチン接種状況を記録するVRS(=ワクチン接種記録システム)の開発と運用です。河野太郎さんが担当大臣で、私を補佐官に任命してくれました。全ての自治体が利用する一億人規模のデータベースを2ヶ月で作るという指令にはシビれましたが、有事を理由に集めた官民混成チームの機動性と、スタートアップが開発パートナーとして無事サービスを始めることができのは、今後の霞ヶ関の働き方や調達のあり方の未来の姿を示すことになりました。

また、日々上がってくるデータを見ながら政策を打ち出せたことは、現在デジタル臨時行政調査会のもとで議論しているEBPMやアジャイル型政策形成をこの国で初めて体現したと言えるのではないかと思います。

夏の終わり頃からは、自民党総裁と衆議院の任期が迫り、総裁選と衆院選に向かって走っていました。総裁選は前の年、岸田現総理と共に雪辱を味わいました。私自身も、その総裁選の手前で、党の青年局長として主張したものの、党員情報がデジタル化されていないという理由でフルスペックの総裁選ができない、という悔しい思いをしました。多様な国民それぞれに行政サービスを提供するにも、多様な意見を反映する選挙をしようにも、とにかくこの国に必見なのはデジタル化なのだと突きつけられました。

また、当選以来取り組んできた規制改革では多くの成果をあげてきた一方で、とにかく法改正に時間がかかることに課題感を持っていました。そのような中、コロナ禍でのハンコ行政撤廃はスピーディーに実現できたことは大きな成功体験になりました。民間企業に勤める人達と一緒に提言を作り、当時の河野行革担当大臣に提言して改正するところまで、半年かかりませんでした。

この一連の経験が先の総裁選の公約に盛り込んだ「デジタル臨時行政調査会」のアイディアの原点です。規制改革は、ひとつひとつ縦に解決していくのではなく、デジタルで通底させ、分野を横断し、面で加速的に改革する組織を創設したい— 2年前から温めていた「デジタル臨時行政調査会」というネーミングと、未来におけるその役割を、岸田さんが信じて総裁選の公約に採用してくれました。

デジタル臨調は、3年間で古い規制をデジタル時代にあったルールに再編成することが目的の組織ですが、もう一つの狙いは、改革のあり方自体を変えることです。これまでは、規制する側とされる側の対決が注目されていましたが、この国の法制度が、テクノロジーが進展したこの実社会に合わず、国民の足枷になっていることは、毎日国民と法制度の両方に対峙している官僚が一番よくわかっているのです。ですので、規制する側もされる側も、この国を前に進めるのだ、という共通の目的で、一緒に改革することで、改革スピードをあげていきます。

デジタル臨調の事務局はデジタル庁に置かれ、私が事務局長を兼務しています。すでにアナログな規制の見直しや代替できる技術の検証は進めており、各省との議論を続けています。ずっと引っかかっている「この国には時間がない」という状況は、デジタル臨調が機能すれば大幅にショートカットできるという道筋が見えてきました。

改革のスピードという点でも、デジタルと規制改革、行政改革を一体となって担当できる現在の組織体制も後押ししてくれています。私たちの毎日の暮らしや事業に大きく影響する社会システム、規制、それらを支える行政組織を同時並行で改革していける—今こそやり切る時なのだと、毎日熱い思いで仕事に向き合っています。

この規模の感染症も、1億人にワクチンを提供し記録することも何もかもが初めてで、イメージ通りに行ったことはひとつもなく、苦難の連続、さまざまな批判が辛い時期もありましたが、チームに支えられたことと、菅さんや河野さん、そして岸田総理を始めとするその時その時のリーダーに与えられたチャンスを生かし、近い未来に生かせる成果と知見を得られたことは自信になっています。

9年間、信じて模索してきたことが、社会に実装でき、皆さんの役に立っているという手応えがあります。そして、自分もそのような手応えを与えられるリーダーでありたいと心がけています。

こうして振り返ると、これだけ思う存分仕事ができるのは、地元で応援してくださる皆さんのおかげです。11月の選挙で、芦田川での出陣式に集まってくださった皆さんを見て、心からそう思いました。

また、日頃支えてくれる事務所と副大臣室のメンバーや、官僚の皆さんにも感謝します。

今日、改めて、皆さんとぜひ共有したいのは、ルールは変えられるということです。昔、誰かが決めたルールに合わせて今を生きる私たちが生きるのではなく、私たちが自由に、それぞれが活躍できるよう、ルールを変えていく。来年の今日も同じことを書く気がしますが、これからも、皆さんと一緒に、私たちの未来に向けたこの国のルール作りに全力を尽くしていきたいと思います。

友だち追加